エアブラシの話その3


 トリガー派に移行して1年以上経ちました。もう面倒でダブルアクションに戻れません。(笑)トリガータイプについてはこちらを参照ください。エアテックスのハンザ381以前に購入した「タミヤHGエアーブラシワイド(トリガータイプ)」について、使用感など。


HGエアーブラシワイドは2006年3月発売。

 ワイド、の意味はノズル口径が0.5mmと、主流の0.3mmより広い面積を対象にしていることによります。僕は0.3mmしか使用したことがなく、メタリックやサーフェサーが詰まりにくい、艶あり塗装が圧倒的に簡単な反面、

 太い線で繊細な塗りができないのではないか

 という不安に似た気持ちを持っていました。で、実際使ったところ、ぜんぜんそんなことはありませんでした。確かに0.3mm同等というわけにはいきませんが、距離とエア圧力を調整(タミヤ的にはHGシリーズは0.1MPa以上で使ったほうが効率が上がる、という実験結果を出しているようです。)することにより、かなりのところまで肉薄できます。むしろ、メリットのほうが大きいです。

■塗料吐出量がHGトリガータイプ(ノズル口径0.3mm)の2.5倍以上、HGエアーブラシ(ノズル口径0.3mm)の4倍である

■そのため、移動速度を上げることにより、HGエアーブラシの4倍の速度、つまり作業時間を1/4に短縮できる

 15cm以上のモデルであるなら、ジャンルを問わずメリットを実感できると断言しましょう。もちろん、メタリックやGSIクレオスのサーフェサー1000をよく使いますが、1度もトラブルが発生していません。ノズル口径0.5mm、なかなか作業時間が取れない社会人モデラーにこそ、おすすめします。

 余談ですが、タミヤのモデル製作部署の標準機はHGトリガータイプとのことです。またGSIクレオスのノズル口径0.5mmPS-290がトリガータイプなのにグリップがない、というのは「自社のスタンドに載らない」ためみたいです。


GSIクレオスのPS290
性能自体はすばらしいのに…。


 ここでエアブラシで塗料の薄め具合がよくわからないという方へ。実は単純です。最適な濃さは、「牛乳程度(特農除く。笑)」です。適切に薄めるとマヨネーズも吹き付け可能です。


 さて、HGエアーブラシワイドと絶妙なコンビで使用しているハンザ381について。


エアテックスのハンザ381ブラック。

 カップ底が球状で最後まで塗料を使いきれるため、掃除が楽であったり、ダブルアクションからの移行者は慣れやすいという特徴はすばらしいのですが、いくつか不便な点があります。

 まず、うがいがしづらいことです。通常のノズルを持つハンドピースで可能な「キャップ緩めうがい」ができないのです。通常のハンドピースは2段構成になっているキャップの2段目を緩め、本体と1mm程度隙間を作ることにより、キャップ先端をふさがなくともうがいが可能です。


モデルはタミヤHGトリガーワイド。
ティッシュ等を使うとニードル先端を破損する可能性がありますので、
僕はこの方法をおすすめします。

ところが、ハンザ381は便利な「工具レスノズル交換システム」のため、この方法が使えません。


また、ポタリ落ちが発生しない整流ノズルキャップのため、
先端を塞いでもエアが逃げてうがいができないのです。

そこで2006年下半期出荷分から付属しているのが
通常のハンドピース同等のニードルキャップです。
これで先端を塞げばうがいできるはず。


穴無しニードルキャップ。

 僕は2006年上半期に購入したので、後ほどエアテックスにいただいたのですが…。なぜかねじのピッチが違い、装着できません。そんなわけで別の方法として「マッキー極細の細キャップ」を使用しています。これで覆うことで穴無しニードルキャップに交換したり、キャップを緩めるより早く安全にうがいができるようになりました。


 そしてラッカー塗料使用者に重要な問題があります。それはラッカー溶剤に耐性が低いゴムパッキンを使用しているということです。僕は洗浄に東邦化研工業の万能エンジンシンナー(ガイアノーツ、GSIクレオスのツールクリーナー同等品。4Lだとお得!)を使用しているのですが、半年ほどで目に見えて塗料カップOリングが破損してきました。

 塗料が接触する部分のうち、テフロンパッキンを使っていないのは2ヶ所です。塗料カップとノズルです。両方を取り外してみました。


左がノズル用、右が塗料カップ用。
ノズル用はともかく、塗料カップ用はぼろぼろです。


現行品はカップ交換式のため、ここにOリングが入る。

 エアテックスに相談したところ、強化パーツが別売りであるとのこと。早速取り寄せしてみました。



部品図より。

注意があります。それは品番です。

■絵の具カップOリングの強化パーツ品番は「2334」である

 AはアドバンスのAと覚えておくとよいでしょう。ところが、

■ノズル用Oリング強化パーツの品番は「同じ」である

 ことです。ノズル用は紛らわしいので(表記はないが強化タイプ)、注文のときは気をつけましょう。エアテックスによると、プロじゃないと見た目や感触で区別はつきにくいそうです。

 
価格はどちらも200円(税別)です。
エアテックス取扱店で取り寄せ可能ですが、上記のようにわかりづらいところもありますので、
「わかっているスタッフ」のいるお店で注文するとよいかと思います。

 これで最高のハンドピースを長く楽しめるようになります。しかし、このところの円安ユーロ高により、2007年4月1日からハンザを含むドイツ製品は値上げが決定しています。その値上げ幅はなんと20%僕は一生付き合える名機であると思いましたので、0.2mm、0.4mmノズルベースセットとともに、もう1台確保いたしました。(多少躊躇しましたが。笑)


この価格で買えるのもあとわずかなのですね。


 圧力0.1MPa程度のコンプレッサーを使用していてもっと圧力がほしいと思ったとき、頼りになるのは「エアー缶」です。エアー缶はフロン134aタイプとDMEタイプがあります。

  初期圧力(20℃) 可燃性
フロン134a 0.476MPa 不燃性
DME 0.41MPa 強可燃性

 これだけ圧力があれば、メタリック、サーフェサーはおろか、ウレタンも十分にいけると思います。単価はフロン134aに対してDMEは圧倒的に安く、また重量が同じであればDMEはフロン134aの約2倍噴射できます。火気に気をつけられれば、DMEを選ぶとお買い得です。

 ただし、ご存知のようにエアー缶は経済的に厳しいのは事実ですから、なるべくなら長く付き合えるコンプレッサーを選ぶほうが精神衛生上もよいかと思います。

Text:ペルシャたろー
07/03/26


  

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