エアブラシの話その5
ハンドピースが4本くらいあると、ガンダム程度なら1度も色を交換することなく塗り終わるのでとても便利、と考え実行。最初は思った通りに事が運んで上機嫌だったものの、徐々に不満が。それはハンドピースの交換です。コンプレッサーは1台。必然的にハンドピースを交換するにはSねじジョイントをいちいち回さねばなりません。コンプレッサーを止めずの交換は、ホースがエアーの勢いにまかせ、あらぬ方向へ飛んでいったことも数知れず。(笑)
それで解決策としてエアテックスの3連ホースジョイントを導入しました。
この方法の利点は、作業を止めずに済むことです。反面、ホースがハンドピースの数だけ必要になり、コストがかかります。そして何より気持ちよくエアブラシをしていて気が付くと、ホースがからみ大変な事になっていたり。
その後もっといい物は、と探して今のクイックジョイントに落ちついたのです。クイックジョイントの特徴はコンプレッサーを止めることなくワンタッチで差し替えが利くことです。ホースは1本なのでからみませんし、ハンドピースが増えてもプラグを買い足していくだけで済むので、とても経済的。模型用で手に入りやすいのは、GSIクレオスとエアテックスのものでしょう。
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GSIクレオスワンタッチプラグ |
GSIクレオスワンタッチホース |
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エアテックスクイックプラグ |
エアテックスクイックエアホース |
機能は2社とも同じですが、プラグの外し方がちょうど逆です。GSIクレオスは外す際、ストッパーをハンドピース方向へスライドさせます。エアテックスは外す際、ストッパーをホース方向へスライドさせます。
僕は人間工学的に正しく感じましたので、エアテックスを選びました。複数のハンドピースを使いたいと思っている方はぜひ検討してみてください。お勧めです。ただし、タミヤベーシックコンプレッサーのようなエアを止めてはいけない機種には使用できません。また、作業が途切れないことで集中するあまり、コンプレッサーの作動時間を超えないようにしてください。(笑)
トリガータイプを手軽に楽しみたい、ラフな扱いをする可能性がある、そんなときの強い味方が廉価トリガータイプの「タミヤベーシックエアーブラシ」と「エアテックスKIDS-105」です。金属製本格トリガー同様、指1本引くだけでグラデーション塗装が可能です。
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タミヤベーシックエアーブラシ |
エアテックスKIDS-105 |
金属製トリガータイプとの違いは主に精度です。ノズル周りに当たりはずれが結構あり、霧が楕円に出る(出方によってはカーモデルに最適。笑)もの、ニードルが最前進位置にあるのに塗料が漏れ出すもの、最初からニードル先端が曲がっているものが確認されています。
また、金属性トリガータイプがエアーの後、じわっと塗料を出していけるのに対し、廉価モデルは割と勢いよく塗料が出て行きます。ちょうど自動車でいうと半クラッチ状態が短い感じなのです。
ベーシックエアーブラシとKIDS−105のボディは基本的には同じです。カップも共用できます。大きな違いはエアーが止められるかどうかです。タミヤはベーシックコンプレッサーがエアーを止めてはいけない構造なので、ハンドピースもエアーを止めない構造にしているのです。おかげでノズルが常に綺麗に保てるのですが、エアーを止めると停止するエアテックスAPC−001Rのようなコンプレッサーや、もともと静かなコンプレッサーを使っている方は耳障りかもしれません。
前々から興味があったので先日、廉価版を購入してみました。選んだのはKIDS−105。僕の環境だとエアーが止められるほうが使いやすいと思ったからです。ただ、KIDS−105はエアテックスが台湾のメーカーから輸入販売している関係で、そのままではSねじコンプレッサーに接続できません。
説明書より。
ハンドピースグリップ端に専用ホースを付け、更にM5-Sチェンジねじで変換しなければならないのです。今はM5-Sチェンジねじが付属してすぐ使用できるようになりましたが、昔は300円で別売りでした。M5-Sチェンジねじは僕がエアテックスに相談して付属させるようにしたのですが(こういうとき業界にいると便利ですね)、自分で使うとなるともう一工夫してみたくなります。
それで愛用しているワンタッチプラグを取り付けるべく調べてみました。
説明書の状態です。
下がM5-Sチェンジねじです。
グリップのねじを調べるために、ホースフィッティングキャップを外しています。
ホースフィッティングは下がM5ねじです。
では、上(グリップ側)はどうでしょう?
M5-SチェンジねじのSが、ぴったりフィット!
つまり、ホースフィッティングのM5ねじを切り取れば、簡単にSねじハンドピースに生まれ変わるのです。というわけで、タミヤの薄刃のこぎりで切除。断面をヤスリで綺麗にしました。
このままでも使えますが、ホースフィッティングキャップがないので、グリップを接着する必要(二塩化メチレンまたは瞬間接着剤を推奨)があります。僕は後々のメンテナンスを考え、ホースフィッティングキャップを加工する事にしました。
タミヤの薄刃のこぎりで切断。
コツは円周に沿って平均的に切っていくことです。
仮組みしてみるとワンタッチプラグと隙間が空いて、
キャップがグリップを固定してくれません。
もう少しホースフィッティングを削る必要がありますね。
結局円錐部分を全部削って仕上がりました。
完成!!
加工時間は計1時間です。皆さんもやってみてください。格段に便利になりますよ。
今後の改良としては、グリップに錘を入れるのが有効かもしれません。
樹脂製ボディは軽く、塗料を入れると重心が上がりすぎる感じです。
また、スタンドはタミヤエアーブラシスタンドがトリガータイプにお勧めです。
Text:ペルシャたろー
08/12/04
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