台湾の模型雑誌
全方位
 台湾の模型雑誌をいただいたので紹介したいと思います。

 僕は、「電撃ホビー」などの模型コンテストで外国人の応募作品があると、必ずチェックしています。それは作品に個人の作風以外に国民性が見えると信じているからです。僕が、日本の雑誌で目にした台湾人の作例はなかなかすばらしく、台湾の模型雑誌に俄然、興味を持ったのです。

 模型を通じて知り合った、ものすごい台湾フリークな方がいました。ただし、台湾に行ってもなぜか模型雑誌や模型店のことは気にならなかったそうで。僕としてはどうしても知りたかったので、機会があれば、本屋さんで模型雑誌を調べて欲しいとお願いしていたのです。

 それからずいぶん経った今年6月初旬、すっかりそのことを忘れていた僕に、この雑誌を持ってきてくれたのでした。ものすごくうれしくて、台湾についてずいぶん話しました。

 その方によると、「僕ね、台湾にもう数え切れないくらい…そう、20回以上行ってるけどね、模型雑誌を見つけたのは今回が初めてだよ。」

 意外な感じがしました。さらに雑誌の中を見てびっくり。この号では、なぜか「科学忍者隊ガッチャマン2」のニューゴッドフェニックスを3Dソフトとプロッタで、ハイテク自作記事(イマイの1/350ゴッドフェニックスを基準にスケールを割り出しています。さらにニューゴッドフェニックスは鷲をモチーフにしているみたいですが、日本のT-2練習機に似ているという記事まで)があった反面、1/144のZプラスをかなりローテクな方法で取り上げています。僕の知っているところでは、日本とあまり変わらないくらいに商品が発売されている(現に1/144HGUCデンドロビウムの紹介記事もある)のに、わざわざ古い商品の改造記事…。

 別のページには、シティーハンターと題のついたタミヤの1/24BMW Z3の情景。フィギュアが主人公らしいのですが、僕はこの題名を見るまで誰なのかわかりませんでした。また、同じくタミヤの1/24スバルインプレッサ(スポーツカーシリーズNO.240。1/12と誤植されています。笑)の素組み製作過程を紹介していますが、どうやら台湾では、日本で一般的な「研ぎ出し」という技法が広まっていないようです。塗料も日本のものばかり。

 あとは素組みの「ハセガワ1/72VT-1」と「レベル1/48F-15E」で、全方位という名の割には戦車がありません。(全ジャンルの模型を取り扱うという意味ではないのか!笑)台湾には、世界中で評価の高い「AFVクラブ」というれっきとした国産ミリタリー系(戦車含む)メーカーがあるのに、取り上げていないのは不思議です。
 読み進めてさらにショック。模型店の広告が2件しか載っていません。1件は台北市でもう1件は高雄市。これでは僕が韓国でやってきたような模型雑誌の広告で探索、という方法が取れません。国産塗料メーカーの広告が2件あり、1件は「水性多用途塗料(全60色。NATO BLACKは「北約黒」なのですね)とデカール」の会社。もう1件が「特殊夜光塗料(5分吸光、60分発光とあります。全6色)とシンナー」の会社。どちらの塗料も記事に登場してないところを見ると、モデラーの間ではそれほどの評価が与えられていないのかもしれません。この雑誌はどこから発行資金を得ているのか気になります。

 残念ながら僕が期待したような内容ではありませんでした。あの日本の雑誌に紹介された作品はどこに行ってしまったのか。関係者が自分達で「同人誌レベル」だと言っている韓国の模型雑誌がかなり立派に見えます。

 そして雑誌のバックナンバー紹介を見て唖然としました。僕は表紙の大きな数字を見て「8月号」だと思っていたのですが、「第8号」だったのです!しかも創刊前に「試刊」する事4号!!!台湾人は用心深いのでしょうか?(笑)「何度台湾に行っても模型雑誌を見なかった」と言うのは本当かもしれません。歴史が浅いのか、韓国同様に「進みすぎた果てに」雑誌が売れなくなってしまったのかが、気になります。



109ページより

 正直なところ、かなりのレベル差を感じてしまいました。言葉の問題がなければ日本のモデラーはすぐにエースになれるのではないでしょうか?語学を勉強してがんばってみるのもいいかもしれません。とりあえず記事によると「ベイブレード」は人気のようです。(爆)

 ちなみにこの第8号は2002年4月発売らしく、定価は250元です。1冊しか見ていませんが、この状態通りなら、台湾に模型目当てに行くのは空振りに終わりそうですね。今後の発展を願います。


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