■模型丼用語の基礎知識■

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模型丼、及び、猫温泉にでてくる模型用語について簡単に説明しています。
登場する毎に増えていく予定。(笑)
本文中、特に名前のないものは、主宰ペルシャたろーのコメントです。
また、(水)は、水無月純、(じゅ)は、じゅんしぃ、(妙)は、妙華のです。

初出2000年11月3日
朱書きは修正/追加した日付です。)



<あ行>


ARMS & MODELS【雑誌】
韓国の模型雑誌。2000年5月号が創刊の、1番新しい模型誌。
飛行機モデルと、ミリタリーモデルしか扱っていない硬派な雑誌。
その点で、韓国のモデルアートといえる。
大きさ(A4)の割りに約100ページ(広告含む)と厚みが無く、
カラーを多用しているせいか価格も高い。
何か消えていきそうな、嫌な予感。(笑)
韓国の中でも、僕の好きなメーカーがスポンサーをしているので
がんばって欲しい。

リンクでお世話になっているチョさんからその後の情報をいただきました。
「えーと、A & Mは既に本屋から消えました。確か4号かそこら辺で
廃刊(休刊?)になったと思いますが…。」
やっぱり。(泣)01/02/01


OUT9月号増刊「GUNDAM CENTURY宇宙翔ける戦士達【書籍】
スタジオぬえ」が、同人誌的感覚でガンダムをSFした伝説の本。
現在のガンダムテクノロジー理論は、この本が元になっている。
これだけこだわった本を作ったのに「マクロス」がアレだったので、当時はかなりぬえが叩かれた。
河森氏によって描かれた「メンテナンスハッチを全開にしたガンダム」は、
HOW TO BUILD GUNDAM 2」で初めて立体化され、その後いくつもの亜流を産んだ。
PGガンダムもその1つ。今に至るまで影響を与え続けているとは罪深い。
要望の高さから近年、復刻された。今の技術で完全復刻を目指した様だが、
表紙は違うし、文字完全打ち直しのおかげで誤字が発生したり、
いくつかのイラストが無くなっている。当時1,800円。昭和56年、みのり書房刊。
復刻版の方は、4,000円。2000年、樹想社/銀河出版刊。



OUT10月号増刊「MACROSS PERFECT MEMORY」【書籍】
編集後記によると、コメント類の多くは本人自筆により、設定類もなるべくコピーでなく
生の資料を使った、ガンダム・センチュリー同等の労力で作られた本。
新たに描かれたイラストと設定、未公開設定満載。VF−4の開発過程も紹介されている。
僕(ペルシャたろー)はTV版マクロスの資料として、決定版だと思っている。
当時2,800円。昭和58年、みのり書房刊。


アオシマ【メーカー】
正式名称は「(株)青島文化教材社」。
アフターサービスの対応の良さは、業界トップレベル。
超絶プラモ」の真の立役者。(笑)
1970年代に、1つの商品を4つに分けて部品で売る「合体」という、
画期的な販売方法を確立する。
子供の小遣いで十分に買える各100円という価格は大変魅力的で、当時は良くお世話になった。
しかし、1つずつ部品をそろえていくのでどうしても人気のある
「頭」とか「腕」が先に売れてしまい、次に小遣いをもらったときはすでに違う商品に変わっているなど、
いつまでたってもロボットが完成しなかったりしたのは、苦い思い出である。
模型界唯一の「族車」の発売元。
同一車種のバリェーション違いが多いのに、箱の大きさが違っているため
限られた棚に上手く陳列できない。
それゆえ、せっかくのラインナップが絞られてしまう。
箱の幅と奥行きをそろえて、高さだけを変えれば良いのに。
つまらないことで損をしている気がする。
呪われたかの様に毎月「デコトラ」を発売し続けている。
それも「文化を伝える教材」なのか。

2002年中盤、解散したイマイの金型の大半を受け継ぎ、販売を開始。
特にサンダーバードシリーズは息の長いシリーズと見てか、
金型追加や修正をかけている。「秘密基地」から
やっとロボダッチの土俵の跡が消えた。(笑)しかし価格が上昇。(泣)02/10/18
http://www.aoshima-bk.co.jp/


青の騎士ベルゼルガ物語【文芸】
はままさのり作のボトムズのサイドストーリー(全4刊?)
当初はデュアルマガジンの連載小説であったが、掲載誌が廃刊。
その後、内容をリファインさえて、朝日ソノラマから新たに刊行されている。
ベルゼルガを駆る主人公ケインよりも、シャドウフレアを駆る敵役クリス・カーツの人気のほうが高かった。
幡池裕行によるバトリングの選手名鑑風の挿し絵は絶品。
そのソノラマ文庫版も後に新装版となって再発売されたが、
カラミティドッグ(R・G・B)関係の設定画など、いくつか削られたイラストがある。
古本屋で買うなら背表紙が緑色の旧版が良いでしょう。(じゅ)


明貴美加【人名】
自称、メカデザイナー。プロ。REDカンパニー。
女の子がMSの装甲の一部を使った服を着て、
コスプレしているかのようなMS少女で有名になった。
トータルで見るとかっこいいが、実は立体にすると面がつながらないという、
現代のエッシャー。(笑)フルアーマーZZはかっこいいと思う。



アクリル系【塗料】
水性アクリル塗料は、模型用の中で一番の新参者。
登場時にはあまり使い勝手がよくなく、悪いイメージがあったが、
現在では改良されて、本職のペンキ屋さんでも使用している。
乾燥時間はラッカーエナメルの中間位。現在、国産品ではグンゼとタミヤが発売しているが、
2社の性質(原料)がかなり違うので、混ぜ合わせないほうがよい。
僕(ペルシャたろー)としては、昔の嫌なイメージが残っているので怖くて使えない。(笑)
塗膜が常用しているラッカーに比べて弱いので、
研ぎ出しが出来ないのも使わない理由である。
しかし、乾くまでは筆などの用具が水洗いできるのと、
臭いもあまり無いので健康の面でメリットは大きい。
タミヤからは専用シンナー「X-20A」が発売されているので、
エアブラシを使うときはこれで薄める。
グンゼからは専用のシンナーが発売されてなく、水で薄めるように書いてあるが、
そのようにすると後で塗膜がひび割れて来たりするので、タミヤの薄め液で薄めたほうがよい。

現在はGSIクレオスから水性専用薄め液が発売されている。
タミヤのものと互換性があるが、
多少重合までの速度が速まる傾向がある。07/10/12


あさのまさひこ【フリーライター】
ファンロード編集部に入り浸り、その後モデルグラフィックスの編集者となる。
当初はミーハーなノリを前面に出していたが、社会の波に揉まれているうちに、
次第にキャラクターがあやしくなってゆき、
ガンダムセンチネルの裏方としては若くして大ブレイクしたが、
今では、強引なたとえ話で持論に誘導するのが得意なネガティブな口調のフリーライター。
根は悪い奴ではないと思うのだが。
菊池桃子仕様のマラサイの作例で有名。(じゅ)

そのマラサイ(モデルグラフィックス1985年10月号)のみで
食いつないでいるという印象は、拭い切れない。
アクリル塗料の重ね塗り、0.2mm口径のハンドピース。
エアブラシには絶対の自信を持っているらしい。
オタク世界にどっぷりと浸かっているくせに、
一般良識人のフリ(むしろ、オタクを批判する姿勢)は、見苦しいと思う。(笑)
彼の仕事は他業界のシステムを模型界にコンバートする、所謂「パクリ」である。
モデラーのワークス体制を提唱したのは、その一例。
口先で、人をその気にさせるのが上手い。
センチネラー(←センチネリストではないか?)には、神のごとく敬われている。
カトキハジメ氏(当時はひらがな)を発掘した。
近年では、「作ってはいないがアイディアは自分が出したのだから」と、
「製作者名を自分」にしても良いのでは、と訳の判らないことを言い出している。


アニメ塗り【テクニック】
越智信義氏がホビージャパン1984年8月号で、
オーガスの「アテナ」のガレージキットを題材に初めて実践。
当時、影を全く付けない、あるいはエアブラシで
グラデーションを付けるのが当然だと思っていた
僕(ペルシャたろー)と友人は、
筆ではっきりと影を付けるその手法に衝撃を受けた。
仕上げのコツは、
「だれが見ても似ているように見せるには、アニメのセル画と同じに陰を落としてやりましょう」
だそうな。理論は判るが、実物を見ると非常に違和感がある。


アヤナミスト【呼称】
エヴァンゲリオン零号機操縦者、綾波レイに傾倒している人。
この近くでは、ペルシャたろーとI川君が入信。
主にグッズ収集が活動の中心だが、ペルシャたろーはその性格から、
イラストに似ているガレキフィギュアのみを買っていたが、最近は冷めてきている様だ。
I川君は今頃熱くなって、突っ走っている。(笑)



新井智之【人名】
ライターデビューは、モデルグラフィックス1985年10月号。
コミックボンボンが開催した、「全国少年プラモチャンピオン大会」で
フルスクラッチ・ズワースでグランドチャンピオンになったのがきっかけである。

ペルシャたろーが同大会で、タカラの部門賞をとっている事は余り知られていない。
ボトムズの放映が始まっていたのに、当時好きだったダグラムで挑んだのが
優勝できなかった敗因だと思っている。
発表の時、名前を一字誤植されたのは今でも忘れられない。(笑)

その後新井氏は、フルスクラッチ第2弾の「ライネック」がボンボンに掲載されているが、
優勝商品である、「プラモ狂四郎のプラモシミュレーション・ヘルメット」を
かぶっていた姿が強烈だった。この時の事は、本人はきっと触れられたくないに違いない。
ああ、優勝しなくて良かった。(爆)年齢を偽っていなければ同期のはず。
当時は余りテクニックに差は無いと思っていたが、小田氏に弟子として育てられ、
模型誌で仕事をしたせいか、今では手の届かないところへ行ってしまった。(笑)
初めはまじめな文を書いていたが、上の世代が居なくなった辺りから
徐々にわがままな性格を見せ始める。ZZガンダムの頃に
「新井ディティール」といわれる独特のメカ描写を
作品にとり入れるように。
Pカッターを定規無しでまっすぐに引けるという特技がある。
原型師としても活躍。ウェーブの「1/144ジュノーン後期型」は傑作だと思う。


アリイ【メーカー】
(株)有井製作所。
所在地が埼玉県のため、「静岡模型協同組合」に混ぜてもらえない。
オオタキ、LSの金型をかなり引き継いでいる。
金型の流用が激しい。
1/76ミリタリーシリーズを、1/100マクロスとセット販売したことがある。
現在でも、1/32オーナーズクラブのジオラマ部分を
部品追加で、「昭和の歳時記シリーズ」として発売している。
ここの「1/76ミリタリー秘密基地(4,000円)」は、傑作だと思が、
あまり売れなかったためか、現在生産されていない。
なぜみんな、この魅力に気付かないのだろう?
僕(ペルシャたろー)は2個持っていて、1番のお気に入りキットである。
透明部品の成形が甘く、どれも少し曇った様に見え、
今1つ技術的に見劣りがする。
イマイと共同でマクロスシリーズを手がける。
出来は大味であるが、全てにポリキャップを装備するなど
開発の意気込みを感じさせる。「1/100ファイター・バルキリー」
「1/72デストロイド・トマホーク」はシリーズで最も似ている。
初版のVF-1Jバトロイドがかなり左右非対称であったことは知られているが、
その後発売したS型と部品を入れ替える事で、上手くもみ消した。
イマイ、LSと「ガルビオン」を共同で開発した事もある。
LSの金型を引き継いだのは、このときの経緯からか。
「サザンクロス」でロリコンパーツを封入するなど奇行が目立ち始め、衰退していく。
その後、ゲームボーイでは売れていたが、
玩具として全く盛り上がらなかったメダロットを商品化するなど、
アイテム選択が下手な様だ。

2004年6月10日付で、社名を「(株)マイクロエース」と変更。
「1/76ミリタリー秘密基地」の再販も決定。が、4,800円に値上げ。(悲)
2004/07/08


EX【商標】
「EXTRA(特別な)」の省略形。ノーマルより1ランク上の意味。
商品に使ってあるのは、さしづめ「特別仕様」ということか。
もちろん価格も上。(笑)


石原宏昭【人名】
ホビージャパンで最もタカラのキットを作った人。
余り大袈裟な改造はしない堅実な作りで、ハゲチョロの塗装が上手い。
リアルを演出するために、作品には「手すり」をつける事が多い。
この人の1/48ブロックヘッド(ホビージャパン1983年1月号)は重量感があり、傑作。
模型ライターとして初めてアクリル塗料を愛用した。


イマイ【メーカー】
昔は、今井科学と称していた。現在は(株)イマイ。
現存するメーカーで最も早くからキャラクターモデルを販売。
近年、「マッハ号」を新金型で起している。
アリイと共同でマクロスシリーズを手がける。
技術力はあるが、初期には「ぬえ」が発表した三面図を鵜呑みにしたため、
設定書の角度から見るとまるで似ていないキットもあった。
慣れてきたころ、「1/72デストロイド・ディフェンダー」
「1/200デストロイド・モンスター」と傑作が生まれる。
最後期に発売になった、「1/72VF-1Dガウォーク」
「1/100VF-1Sスーパーバトロイド・バルキリー」は今見ても完璧な出来である。
しかしなぜポリキャップを使わなかったのだろう?
この経験からか、「オーガスシリーズ」「モスピーダシリーズ」は
最初から出来が良かった。その後マクロスの金型はバンダイに引き継がれる。
手塚治虫、横山光輝、ジェリー・アンダーソン作品の商品化で財を成した。
特にサンダーバードシリーズは、もはやこの会社のトレードマークといって
良いかもしれない。1/350サンダーバード2号は決定版で、
同スペックで発売を計画していたバンダイに、商品化を断念させた。
木製模型全盛時代から現在まで、頑なに木工技術を養い続けている。
いつのまにか他のメーカーは、木製模型から撤退してしまったので
業界NO.1になった。帆船模型の老舗であるが、
平成に入ってからは「ハーレーダビッドソン」にも力を入れている。
恐らく販売しているバリェーションでは世界一であろう。
再販時はメッキをかけるという、かなりのメッキ好き。
普通の商品が欲しい僕(ペルシャたろー)には、
迷惑な社風。(笑)
http://www.tokai.or.jp/imai/

2002年、1月を以って廃業(解散)した。突然の発表に、
人々は悲しむ間もなく…。02/05/15

2002年中盤、アオシマに金型の大半が移行、
イマイの歴史は受け継がれた。02/10/18

ウェーブ【メーカー】
(株)ウェーブ。
ポリキャップボールジョイントなど自作が難しい部品の単売を始めた会社。
最初は「ラーク」という普通の模型店であったが、ガレキの販売を機に社名を変更した。
インジェクション・プラモデルも発売。
発売当初は高額(25pサイズで10,000円前後)であったが、
あるとき「バリュー価格」として半額以下になって再登場した。
直前にそのキットを買っていた僕(ペルシャたろー)は、
思わず「金返せーっ!」と叫んだが、時すでに遅かった。
現在もバリュー価格は継続している。
その後キャラクターモデルだけでなく、ホンダのP2も発売。
最近では大手メーカーよりもモールドが良いキットが出ている。


梅本弘【人名】
ホビージャパン、ミニスケールAFVシリーズコーナーのもう1人の立役者。
どうやら編集者のペンネームらしい。
松本氏曰く、「改造おひねり狂い(ホビージャパン1983年7月号)」。
その通りニコイチ、サンコイチでキットを直していく「改造派」、という意味で
松本氏とは対極にある存在。
松本氏との言い争いが、毎回コーナーの目玉になっていた。
キット価格の3倍以上の資料を使う。
松本氏のキットにかけるお金の話題で、自分の作風を反省したことがある。


エアブラシ【テクニック】
用具の事と思われがちであるが、実際には手法のこと。
一般にエアブラシと呼ばれているものはハンドピースという。


HG【商標】
ハイグレードモデル
の略。


HGUC【商標】
ハイグレードユニバーサルセンチュリーモデル
の略。


SR【商標】
トレーディング・フィギュアで使っている、ユージンの商標。
意味は「スーパーリアル」から。
だいたい1BOXで買うと、コンプリート出来るようだ。


エナメル系【塗料】
伸びがよく、乾燥が遅いため筆塗りでもムラが出にくい。
グロス塗料の深みのあるツヤ、フラット塗料の質感といった魅力は、他の塗料には真似が出来ない。
完全乾燥後は、大変堅牢な塗膜を形成する。
乾燥すると変質するので、専用シンナーはおろか、ラッカー薄め液でも溶かすことは難しくなる。
欧米では主流であるが、湿度の高い日本では完全に乾燥しにくく、
よって理論上可能である、「ラッカー塗料を上から重ね塗り」をすることが出来ない。
当初は塗膜が弱いのでエアブラシに向かないようだ。軽く擦るだけで取れてしまう。
墨入れやウェザリングに欠かせない塗料である。
国内ではタミヤが生産。
エナメルとしては乾燥が速く、多少ラッカー系に近い性質になっているが、
色によっては伸びがなくなり、シンナーで希釈すると分離してしまうものも存在する。
また、この溶剤はポリ部品や最近の再生プラスチックが
多く含まれるキットに塗ると割れてしまうので、注意が必要。
タミヤは自社のキットが、自社のエナメルで割れるわけにいかないので、
これが「タミヤのプラスチックは質が良い」説の根拠となっている。(笑)
イギリスのハンブロールのも有名だが入手しづらい。
特にクロームシルバーは完璧。


エポキシパテ【素材】
略して「エポパテ」とも言う。
もともと家具や配水管の充填用や補修用に使用されていた。
それゆえ、硬化すると熱や薬品に大変強い。エポキシ系接着剤と同様、
主材と硬化材とを同量混合すると化学反応で硬化が始まる。また同様に、
暖めると柔らかくなるので練り合わせ易くなり、反応も進む。ラッカーパテと違って、「ヒケ」が無い。
硬化時間は商品によって異なるが、10分硬化のものから、24時間くらいかかるものまで各種ある。
欠点としては、十分に練り合わせたつもりでも、小さな塊として
混合していない硬化剤が中に残ってしまうことがあげられる。
これは羊羹状で、塗装や加工が出来ないので、注意が必要。
「粘り」があり、ポリパテよりも丈夫であるがゆえに削りにくい。
「盛り派」の人に適している。
有害物質を含むため、人体に影響が出る場合もあることから、
使用後は必ず良く手を洗う(爪の間から侵入するらしい)こと。
尚、タミヤ製品は自社のアクリル溶剤で解けるため、
硬化前の仕上げに使用すると滑らかに仕上げることが出来る。01/11/22


SFプラモブック1「機動戦士ガンダム」【書籍】
企画・構成/クラフト団のコミックボンボン読者対象の作例紹介本。
といっても中身は当時の有名モデラーが参加しており、
一部作例は「HOW TO BUILD GUNDAM」とかぶっている。レベルは高い。
黒い三連星の06Rザクとザク・オプショナルパーツ(後のマインレイヤー)が
この本のための描き下ろしだったという事は、案外知られていない。
そのイラストのおかげで、肘の円い部分が「プリン形状」だということが判明した。
ちなみにプラモブック2は「伝説巨人イデオン」。
当時480円。昭和57年、講談社刊。


SF3Dオリジナル【企画】
ホビージャパン横山氏のモデルと、編集者のストーリーとでなされた企画。
1982年5月号の「すばらしき駄物キット」という、
メーカーにとって失礼な特集に「ミクロマンのパワードスーツ」の改造をした
のが始まり。出来がよかったので、同号から連載が始まる。
そのほとんどが様々なキットから部品を流用し、
横山氏のセンスで上手くまとめあげる、というもの。
別冊(当時980円。昭和58年、ホビージャパン刊。)にもなったが、ストーリー主体になってしまい、
連載時に載っていた「流用部品の構成」が抜けてしまったのが残念。
後に原作者完全監修の元、ニットーがキット化。
本誌でも横山氏自ら、キット攻略法を解説していた。
分裂騒ぎでモデルグラフィックスに移った際、
ホビージャパンの企画だからと商標が使えず、裁判にもなった。
現在は「MA.K.(マシーネン・クリーガー)」としてニットーが再販している。
 


AT【略称】
メカの略称。ボトムズの「アーマード・トルーパー」のこと。
人間と絡めやすくするために、4mの大きさになった。
イメージは「ジープ」とか。


MG【商標】
マスターグレードの略。


MA【略称】
メカのカテゴリーの略称。
ガンダムでは「モビルアーマー」
ドラグナーでは「メタルアーマー」である。

葉っぱファンなら「マジカルアンティーク」ですね。(妙)


MS【略称】
メカのカテゴリーの略称。
ガンダムの「モビルスーツ」のこと。

ジオン軍のモビルスーツの形式名称には必ずこれがつくが、
ザクをMS-06と設定したのは、みのり書房のガンダムセンチュリーである。
MS-06という形式名称は、最初はオフィシャルな設定ではなかったのである。
同様に、ガンダムを、RX−78と設定したのは、
(ブライトのセリフ、「ガンダム?”X78”のことでありますか?」より)
伝説の小牧編集長(ま氏)を擁するラポート社のアニメック増刊「ガンダム大辞典」だときいている。
昔ラポートが出していたミニ4駆本のあとがきに書いてあった。
これは一応確認して欲しい。>ペルシャたろー(じゅ)

今確認したけど、まずAnimec別冊「機動戦士ガンダム大辞典」
(当時500円。昭和56年、ラポート刊。)の
P.104(ガンダム用語辞典)に「ガンダーRX78(1)
モビルスーツガンダムの正式名称」となっており、その続編である
「機動戦士ガンダム大辞典PART-2」(当時550円。昭和56年、ラポート刊。)の
P.30(ガンダム研究パートT)では
「連邦軍の試作モビルスーツ、ガンダーRX-78、通称<ガンダム>の働きは
特筆すべきものがある。」と書いてあります。ブライトのセリフについては書いてありませんでした。
この本は放映中、そして哀戦士の頃に出ていて、
富野監督にインタビューも頻繁に行っていたので、誤植とは考えにくい。
なので、形式番号は企画書の段階から決まっていたのでは。
当時の設定は、今「オフィシャル」とされている設定と少し違って(旧ザクなど)います。
でも考えてみると、スタッフが最初に意図したのはこちらなのでは。
放映当時から知っている者からすると、
ファンが勝手に作品と関係なく世界を構築してしまった、というのが判って面白いですね。
結構資料を持っている、ペルシャたろーでした。(笑)


エンジンシンナー【素材】
東邦化研工業(株)の万能シンナー。
塩ビ、ラッカー、ドープ、エポキシ、ウレタン塗料の希釈に使用でき、
量の割りに価格も安く最もC/P比に優れている。強力であり、乾燥も早い。
そのため塗料に混ぜて吹き付け塗装をした際も、
ほんのわずかにプラスチックを溶かして食いつくため、
非常に優れた定着力を発揮する。
欠点は「缶」のため、瓶に移し変える時、
必ずといって良いほどこぼれてしまう事である。漏斗必須。(笑)
モデルアートで、初めてプラモデル用に紹介された。


大河原邦男【人名】
サンライズ作品を数多く手がける、メカデザイナー。
タツノコから独立。
独立前もこっそりとペンネームを使って
「マシーンブラスター」のデザインをこなしている。
リアルロボットの始祖。ガンダムで一生食べていけそう。
木を使って模型を作るのが趣味、しかしプラモデルは合わせ目を消さない。
ひょっとして木工の知識だけ発達しているのか。
変形メカは単純な機構のものしか考えられないのが残念。
絵で描いてカッコ悪いものも、立体映えするので
商品ではかなりの傑作が誕生。
永野氏は、「現在の日本で
ほんとうにオリジナルなロボットのデザインができるのは、
永野護と大河原さんしかいないんだよね」と
語って(1999年、ニュータイプ3月号付録「まるごと永野護」より)いる。
僕(ペルシャたろー)と水無月は大好き。
お気に入りを挙げたら切りが無い。
現在も活躍中。



小田雅弘【人名】
模型クラブ「ストリームベース」の元構成員。
キットの製作記の前に、長々と関係の無い
(関係があることもあったが。笑)妄想を書き始めた人物。
その甲斐あってか、MSVの説明書での解説を勤める。
妄想が役に立ったのだ。
センス抜群。真似しようと思っても近付けない「何か」がある。
ホビージャパン1982年10月号のモデラー訪問で見たこの人の部屋は、
理想の部屋だった。元々飛行機モデラー。
しかし、興味のある分野であれば関係無く作るという柔軟性がある。
ポリパテエアブラシリューターは、3種の神器。
1/60ザクの肩を「ハの字」で切り取ったのは衝撃的で、
以後、他のライターが作る作例は全て同じ工作がなされると言う、
大きな影響を与えた。
HOW TO BUILD GUNDAM 2」の1/100ザク改造06Rは、
最も正しい解釈をしていると思う。現在では当たり前になっている「ジョニーライデン06Rザクが
ドムのジャイアントバズを持っている」のは、この人の作例が始まりである。
また、海洋堂から発売された1/35レッドミラージュは傑作で、
あれ以上に重量感、存在感を感じさせるキットは今でも存在しない。
原作者の永野護もお気に入りの様(「電気騎士伝説」P.46)で、信頼も厚い。
残念ながら「史上最強の素人模型マニア」を目指しているため、
現在は原型師をしていない。


大張正己【人名】
マシンロボ、ダンクーガ、ドラグナー。
ドラグナーのオープニングで一躍有名になった。
あまりに設定と違う作画のため、スポンサーの
バンダイからクレーム(バンダイのキットも設定通りではなかったが)がつき、
描きなおさせられたことがある。メカを生物的にデフォルメさせて描く、独特の作風。
B-CLUB(No.18)に描き起こされた「大張版ドラグナー」は、
オープニングとも設定とも違っていたため、皆に反則だといわれた。
「”カッコ良さ”というのは兵器としてのリァリティじゃなくて、
”見栄のきらせ方”なんです」と、同誌で語っているので、彼の作風が想像できるであろう。
放映打ち切りが決まると、最後の作画監督だからと、とんでもないアレンジで絵を描き、
アニメなのに全く動かない回を作っている。
僕(ペルシャたろー)は、アニメーターは個性を出すべきではない、
と思っている(作品に統一感が無くなる)ので、かなり無責任な人に見えた。



大張る【用語】
大張氏描くところの、「胸を張り、逆間接気味のひざ、小さい頭」といった様式を
模したもの。
この当時、右を向いても左を向いても大張っていた。
業界としてはこのノリでずっと行くつもりだったらしいのだが、
僕(ペルシャたろー)にはどう見てもかっこいいものではなく、
一過性のものではないかと思っていたら、本当に消えてしまった。(笑)
今、この作風で作っている人はいるのだろうか。
僕は流行に飛びつくと、後で恥ずかしい思いをするので、
あの頃(1987年)の本を見るといつも考えさせられる。
カトキ版」の末路もこうなるのではないか。


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<か行>


海賊版【用語】
権利所有者の許可・承諾なく複製された商品の総称。
ガレージキット業界では・・・・・(旅行日記を参照してください。)
オリジナルがなくなった後まで残るものもあり、意外に重宝することがある。
ただし、基本的に違法。
関係ないですが神林長平氏の小説「敵は海賊」シリーズ(早川書房)はお薦めです。
(じゅ)2002/06/16


カトキハジメ【人名】
当初はひらがなだった。
「作曲家と編曲家」というカテゴリーで言えば、「編曲家」に属する。
流行り物に弱く、それがすぐに作品に反映される。
特にバーチャロンの「オラトリオ・タングラム」でのデザインは、
当時彼が集めていた「Gショック」と「AIRMAX」の影響が色濃く出ている。
今やガンダムデザインの第一人者。熱狂的な信者も多数存在する。
これだけ才能があるのだったら、
いいかげん大河原デザインから脱却しても良いと思うのだが。
「立体把握できるデザイナー」であることを買われて、バンダイでの仕事が多い。

エア・インテークの前に着陸脚を置くと
どうなるか判っていないらしい。リアルなんですね。(笑)→F‐16はなぜ
エア・インテークの「下」に着陸脚があるのでしょう?01/10/31



かぶる【用語】
塗料が、空気中の水分を含んで白く曇ったり、ツヤが無くなる現象。
対象物に付着する前に空気中を通過する、吹き付け塗装時に発生しやすい。
リカバリーはコンパウンドで主に行うが、完全に修復できるわけではない。
僕(ペルシャたろー)は、湿度60%以上のときは塗装しないことにしている。


ガレキ【用語】
「ガレージキット」の略。
日本人は4文字以上のものは、略す傾向にあるのか。
(例:原発、ドリカムなど)


ガレージキット【用語】
ホビージャパンでは1979年8月号で初めて触れられるが、
大々的に特集が組まれたのは1983年10月号である。
そこでは、”むかしむかし、まだシリコーンや不飽和ポリエステルなどの注型型取り剤が
人知れず工業用として使われ、一般大衆モデラーは、その存在すら知らなかった時代から、
一人コツコツと作りたいものを作り、友人知人にせがまれて、
入手しにくい注型型取り剤を手に入れ、
数10個に1個まともなものが取れればよいような状態で始まったガレージキット。
今や便利な素材が多く出まわり、それまで仲間うちだけのやり取りだったオリジナルキットも、
版権を取り大量に(といってもたかが知れてるけど)出まわるようになった。
メーカーの出すプラキットに満足できず、あるいはこの世に存在しないキット、
自分だけのキットを作りたいと思うモデラーたちが、自分の為に作り続けるだろう
広い意味”とある。今でもその本質は変わっていない。
しかし、造形のレベルは確実に向上しており、
著しい技術の発展は永野氏がこの業界に「デザイン」で挑戦したからである。


河合商会【メーカー】
(株)河合商会。
「居酒屋」「牧場」「田舎の駅」など、箱庭模型の老舗。
別にリベートを貰っている訳ではないのだが、
僕(ペルシャたろー)はここの製品が大好きで、
店の定番にしている。強力に押しているので、
恐らく北陸一、「河合のプラモデル」を売っている。
金型が老朽化したためか、「めし」が絶版になったのは非常に残念。
1999年のカタログに載っている近日発売と書かれた「銭湯」は、
いつ発売になるのでしょう?
http://www.kawaihobby.co.jp/


川口克己【人名】
模型クラブ「ストリームベース」の元構成員。模型ライター初の声優ファン。
元々AFVモデラーであったが、
1/100シャア専用ザクのフルスクラッチ(ホビージャパン1980年8月号)で、
キャラクターモデルに比重が置かれるようになる。
ガンダムの時はジオン軍、ダグラムの時は連邦軍、マクロスの時はゼントラーディと、
主人公の敵側のメカばかり作っていた印象がある。
それでもたまに田宮の新製品紹介などで、AFVモデルを造っていた。
小田氏がセンスでまとめ上げるのに対して、
こつこつとテクニックを積み上げていく努力型、あくまで設定に近付けるという姿勢。
僕(ペルシャたろー)は、当時この人の作風が大好きだった。
飯島真理と阪神タイガースのファンであった事は、余り知られていない。
ホビージャパン1984年5月号の
「大追跡!川口氏は、いかにしてキットを作るか?」で、
秘伝を公開している。
現在は、バンダイでプラモデルを開発。


河原畑啓【人名】
プラモデルなのに、実車のように顔が映り込む「研ぎ出し」という技法の熟練者。
モデルアート1989年8月号で、その「研ぎ出し」を含むカーモデルテクニックが公開された。
僕(ペルシャたろー)はそれまで、
カーモデルで、この人以上に上手く作る人を見たことが無かった。
このレベルで月産3台はすごい。
研ぎ出しの車を101台作って「101台展」という個展を開く計画が
あったそうだが、実現したのだろうか?最近、ライターをやっておられないようなので、残念です。


河森正冶【人名】
スタジオぬえ所属のメカデザイナー。
バルキリーの生みの親。これ以後、飛行機からロボットに変形するメカは、
どれも機首が折れて胸になってしまったという、多大な影響を与えた。
以後も次々と可変メカを生み出す。デストロイド・モンスターが変形したときは驚いた。
ただし、描くたびにディティールが違っていたり、矛盾が多い。(笑)
ペルシャたろーは大ファンのため、ある人のつてでサインをイラスト(VF-1)入りで書いてもらった。
会った人の話によると、ぼそぼそと話す物静かな感じで、思った以上に色が黒いという。
宮武氏曰く、「彼は他人の作った物はあまり好きじゃないみたいですね」
ホビージャパン1983年1月号「横山宏スタジオぬえ訪問記」より)とか。
原田知世命だったことは、あまり知られていない。
現在も活躍中。


河森正冶マクロスデザインワークス【書籍】
マクロス、というよりバリアブルファイターデザインワークス。
ゲーム「マクロスM3」までを網羅。
空中騎行戦記(可変戦闘機によるロボット戦隊)が
後のエスカフローネになったなど、初めて明かされたことも多い。
決定稿に至る紆余曲折が見えて非常に面白く、貴重な本といえる。
うっかりすると見過ごしそうなマクロスでのTV版バルキリー設定→河森氏、
劇場版バルキリー設定→宮武氏であることがはっきり書かれていて好感が持てる。
しかし、決定稿については既発表のものがほとんど。(泣)
本人に取材をしているが、コメントに推測部分が多いのが残念。
朗かに事後設定であるものも当時からあったものとして紹介しているのはどうか?
このようなことをするから「歴史」が歪曲されるのだ!?(笑)
次はオールデザインワークス(ダイアクロン含む)が欲しいです。
3,000円。2001年、ムービック刊。2002/02/19



簡易インジェクション【技術】
限定射出キットとも呼ばれている。
生産にあたり、あまり高度な技術とコストを必要としないことから、「簡易」と呼ばれる。
プラパーツは一見すると通常のキットと大差ないように見えるが、
物によっては部品の厚みが一定で無かったり、最近のキットではとても体験できない
壮絶なバリがあったりする。
まじめに作ろうとすると使えないパーツもあるので、
どうせ自作するのだから、と軽い気持ちで作り始めると良い。
最近アオシマフジミが一部のキャラクターキットで使っている。


ガンダム・センチネル【書籍】
真実のリアルを教えてやる。「真実」と書いて「ほんとう」と読ませるのは未だに抵抗がある。
リアル、といっている割には、作例は金属には見えない。(笑)
あさのまさひこ最大の偉業。模型を使った特撮とミニストーリーという、
SF3Dと同じ構成で展開されたが、高橋氏の原作により読み応えのあるものに仕上がった。
限られたページで情報を伝えるため、「俯瞰」という手法を多用する。
フルスクラッチから始まったが、後にバンダイからキットが発売になり、
オリジナルを手がけたモデラー自らのキット攻略という、ある意味理想的な記事も紹介されている。
カトキ氏のデザインは好評で、根強いファンを抱える。
いまだにその呪縛から解き放たれない人もいるので、罪深い本である。
新しい世代で初めて完全に「HOW TO BUILD GUNDAM」の質を越えた。
ついでに価格も大幅に越えた。(笑)
2,800円。平成元年、大日本絵画刊。



ガンダムスクラッチビルドマニュアル【書籍】
電撃ホビーマガジン誌で、3年間に渡って連載された「すくすくスクラッチ」の単行本化。
購買層を考えてガンダムを題材としたために価格がやや高めになったのが残念である。(笑)
しかし、内容は価格を超えるものを持っており、ロボット模型の自作であれば、
この1冊があればすべてまかなえるであろう良書。
親しみの持てる文体。
非常に具体的で、わかりやすく解説している。型取り、複製にも触れ手抜かりはない。
オリジナルロボットを作ろうという構想がひとかけらでもあるのなら、
買っておくべき本だともいえるであろう。
これで準備は整った?(笑)
他に必要なのは塗装の技術とデザインから面を読み取る能力だけである。
2,500円。2003年、岬光彰著/メディアワークス刊。2003/03/19



ガンプラ【用語】
「ガンダムのプラモデル」を略したもの。
やはり日本人は…以下略。(笑)

かつて、日曜日ごとに模型屋の店頭に長蛇の列をなさしめたもの。(じゅ)

そんな昔のこと言っても、今の人は知らないって。(妙)


楠本裕樹【人名】
この人がいなかったら「SF3D」も誕生していなかったという、影の立役者。
日陰者の存在であるマイナーなキットを、自分なりに設定を作りながらSF調に仕上げていたのが
ホビージャパン編集の目にとまり、特集が組まれる。これがきっかけとなって、SF3Dが始まったのだ。
普通の作例も存在感があってすごく上手かった。
1/72ソルティック(ホビージャパン1982年4月号)は特にいい。
最近、本を読み返して驚いたのだが、活躍当時この人は22歳だった。
若くしてセンスあふれる作品が作れるのは、やはり才能があるからなのだろうか。

2002年6月に当HPのBBSに登場され、
秘話]を語っていただけました。03/01/20


劇場版マクロススペシャルプレビュー
「愛・おぼえていますか」
【書籍】
恐らく、素人が手に入れることが出来る「劇場版マクロスのカラー設定」が載っている唯一の本。
情報を隠しながら、劇場版の設定を公開しているのが上手い。
それだけにとどまらず、模型の作例紹介もしている。
21歳当時の一戸寛氏が、「可変キット改造、劇場版スーパーVF-1S」を早くも作っていて、完成度も高い。
この人は現在もホビージャパンで活躍しているが、テクニックが上手くなっている反面、
この後発表されたバルキリーの作例については、だんだん似てなくなってきているような気がする。
他には、藤川政秀氏の「歩く1/160デストロイド・モンスター」「1/72VFX-4」「1/72ドラゴンU」、
中村祐治氏の「フルスクラッチ、ファンライナー」などが載っている。
更に、河森氏自らが描いた「タマゴ・バルキリー」のイメージ図面、
TV版27話でバルキリーが装備していた
「大型の反応弾ミサイル」の装着設定は、この本にしか載っていない。
残念ながらかなり初期段階の編集らしく、一部のカラー設定が違っている。
しかし、ワンマン戦闘ポッドが、TV版では白基調だったのに対し、
緑系になっていることがこの本によって判明。
それにもかかわらず、模型誌で劇場版バルキリーと絡んでるのにTV版塗装で作例が載るのは、
「皆さん、ガンダム以外は適当なんですね」と思わざるを得ない。
当時800円。昭和59年、小学館刊。


講談社ポケット百貨シリーズ29
「プラモ大図鑑戦闘メカザブングル太陽の牙ダグラム」
【書籍】
タイトルが異様に長い。数少ない「ザブングル」と「ダグラム」の作例紹介本。
コミックボンボンに載っていたものを編集したらしいが、映画(併映された)の関係か、
人気が今1つのせいか、セットになっている。
当時の有名モデラーの作品ばかりで、レベルは高い。
当時450円。昭和58年、講談社刊。


光沢【用語】
ツヤのある様子。グロスとも言う。塗料の容器に表示されているのは、
乾燥した表面にツヤが出ることから。


交差法【テクニック】
筆塗りでの、ムラが出にくいとされる塗装法。
1回目を縦に塗り、乾いた後2回目を1回目と交差するように横に筆を運ぶ。
この工程を繰り返すと平滑な塗装面が得られる、というが、実際にはムラが残る。
塗装と仕上げテクニックガイド1」が発売されるまでは、
この方法が最善だと思われていた。


小林誠【人名】
メカデザイナー。
ハイパーウエポン。ドルバックニュース。独特の絵柄と作例でファンが多い。
ロボットに持たせたスマートガンは影響が強く、他の作品でもしばしば見られるようになる。
デザイナーとして、最も模型を作っているのではないか?
フルスクラッチの第一人者。船からロボット、ミニカーまで何でも作る。
1/43ミニカーは、仕上げも丁寧である。
ZZガンダムの頃は嫌いだったが、宇宙戦艦ヤマトのフルスクラッチのあたりから、
「この人は本当に模型が好きなのだ」と共感している。
一緒に仕事をすると、模型を作るのが早くなるそうだ。
弟子入りすべきか?(笑)


近藤和久【人名】
モビルスーツのデザインアレンジが有名で、一時「近藤ディティール」と呼ばれる。
後にアニメの「Zガンダム」に登場する「ジムU」はこの人のデザインがそのまま使われていた。
その後小林誠氏と飲み友達になり、大いに影響を受ける。
そのせいか、今ではすぐには見分けがつかないくらい絵が似てしまっている。
プロとしてどうかと思う。影響受けすぎ。



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<さ行>


佐藤直樹
【人名】
元はベイダー卿を崇拝する、スターウォーズモデラー。
ミレニアム・ファルコン。
「白いメカといえば、佐藤直樹」と言われるほど、白の塗りが上手い。
メカに質感を与える「エナメルぼかし法」を開発。
だが、再生プラスチックが半分を占める
今のキットに行うのは、危険である。
設定通りに作らないと「逃げ」である、というまじめな性格で、
作品は設定に似ている。その点で僕(ペルシャたろー)の信頼は厚い。
しかし原型を担当した、ウェーブ1/100レッドミラージュの背中の面構成を
読み違えるという、苦い経験を持つ。
昔、たびたび住居に泥棒が侵入し、
TVをアンテナごと盗まれたこと(ホビージャパン1984年4月号)がある。
早く1/100KOGバージョン3が欲しいです。


jpg【じぇいぺぐ】
PC用の画像フォーマットのひとつで、不可逆圧縮ではあるが容量を小さくできるもの。

転じて、ペルシャたろーが発案し実践した「省スペースプラモデル保管方法」のことで、。
複数のプラモデルの部品をランナーから切り離し、ひとつの箱に収納するもの。
その際、”パーツの裏側に部品番号をマジックで書いておく”ことや、
”同じ成形色の模型を同じ箱に入れない”などの小技が必要となる。

このような地味な手間をかけて、彼(ペルシャたろー)の部屋には
ゆうに1,000個を越えるプラモデルが
データベース化されて積み上げられている。
初出はBBS「ねこ温泉」(じゅ)01/08/14


システムインジェクション21【技術】
バンダイが特許申請中の多色成形技術。いろプラとも言う。
このおかげで現在のガンプラは、色を塗らなくてもそれなりに見えるようになった。
商品として初めて導入されたのは、機甲戦記ドラグナーの「ドラグナー1withリフター1」である。
「1/250ガンダム」だったかな?


市場にあるうちに・・・【至言】
製品として流通期間の短い商品(キャラクターものや流行商品)は、
店頭在庫が多いからいつでも買えると思っていると、
欲しいと思ったときにはなくなっていることが多い。
この世界、あとで欲しくなると思ったものは、即、買え!が鉄則。(笑)
ただし、ペルシャたろーは、欲しいものには必ず
もう一度めぐり逢うという特技(才能?)を持っている。
なんと、韓国で海賊版に再会したこともあるらしい。
じゅんしぃはせいぜい半分くらいです。(じゅ)

じゅんしぃは時々(出張先で)見つけるみたいだけど、
わたしはぜんぜんダメ。出不精ですから。
ビューティーカットジェニー、欲しかったのに・・・(妙)

何だかわからんが物には縁あるんだよな、きっと欲がすごいんだ(笑)。
物を大事にしている(捨てられない性格)からなの?(水)


シルバリング【用語】
「Silvering」とは、貼ったデカールのベースフィルム(透明ニス部)が、
貼った表面から浮き上がってしまい、ギラギラ・テラテラと、
なんとなくイヤラシク輝いてしまう現象。
空モデルテクニック」で、防ぐ方法が語られている。


静岡模型協同組合【メーカー】
アオシマタミヤハセガワからなるプラモギルド。(笑)
模型界の国際連盟といっても良い。(爆)
WLシリーズを分担して開発している。
当初はフジミも参加していたが、意見が合わないためか
はたまた組合費が払えなかったのか、「堂々脱退」している。
後にフジミはWLシリーズで発売していたアイテムを、
「シーウェイモデル」と名前を変え、独自の道を進む。


松竹梅【縁起物】
ホビージャパン、ミニスケールAFVシリーズコーナーの
松本州平竹井鉄雄梅本弘の3人を指す。


戦闘妖精雪風【文芸、戦闘機】
神林長平が著した航空SF小説(ハヤカワ文庫)
”言葉”と”機械”にはこだわりのある作家なだけに、
本作においても独特の世界観と機械描写には定評があります。
雪風とは、主人公深井零が駆る戦術(戦略)偵察機のパーソナルネーム
戦闘妖精・雪風1984年早川書房刊(文庫)
グッドラック1999年早川書房刊(ハードカバー)
グッドラック2001年早川書房刊(文庫)
戦闘妖精・雪風<改>2002年早川書房刊(文庫)
(じゅ)02/06/16



スクラッチ【用語】
自作のこと。僕(ペルシャたろー)がこの言葉を知ったときは、
他のキットから部品を一部でも流用して完成したものを「セミスクラッチ」、
全く部品の流用なしに完成したものを「フルスクラッチ」と定義付けられていたが、
現在ではこの定義が甘くなっており、かなり流用していてもフルスクラッチと記述している雑誌も多い。
SF3D、映画「スターウォーズ」に登場しているメカは「セミスクラッチ」である。
プラモデルから流用された部品がかなり使われているので、
元になったキットを探すというマニアも現れた。
ちなみに「ジェダイの復讐」に出てきたAウイング・ファイターは、
F-14の胴体から作られている。


スケール【用語】
模型では縮尺のこと。スケールモデルでは狂うことが許されないが、
キャラクターモデルではかなり曖昧。ガンダム以降スケール表示がされるようになり、
統一スケールで商品化されるようになった。しかし、
作例で改造によってスケールが変わってしまっているのに、
元と同じスケールで紹介されるなど、「リアル」と称しているのは甘えだと思う。
大きさが設定されていないものなら判るが、設定されているものは守ってほしい。
また守れないのであるのなら表示をするな、と思う。
特に1988年前後の雑誌がこのようにやっていた。その後、読者から指摘があったのか、
ホビージャパンでは「1/144キット改造」のように作例のスケール表示をしなくなった。
これを見たときは感心したものだが、
現在はまた元に戻ってしまったようだ。(笑)
更に、メーカー(バンダイのHGダンバインなど)自らがスケールを守らなくなっているのも問題。


SuperPlasticModelManual
「超時空要塞マクロスTV名場面模型ジオラマ再現PART1」
【書籍】
表紙には「プラモ大改造編」となっているが、ほとんど改造されていなく、
キットを使用してジオラマを構成しているというもの。
作例のレベルがいまいちで、現在では資料的な価値しかない。
巻末の言葉「私どものファンに送る熱き血潮のメッセージである」が悲しい。
当時850円。昭和58年、創英新社刊。


SuperPlasticModelManualPARTU
「TV名場面模型ジオラマ再現マクロスからオーガスへ!」
【書籍】
これもタイトルが異様に長い。同じ年に第2弾が発売されるとは、意欲的である。
しかしなぜ前作は「1」で今回が「U」なのだろう?本当に続編か。
作例のレベルは前回よりあがっている。
あまり普通の模型雑誌で取り上げられないシーンをモデル化。
空戦用ブースター装備のグラージもその一つ。
可変バルキリーを使った、全機体バリエーション紹介は
僕(ペルシャたろー)が目標としているところである。
オーガスは放映されて間が無く、作例は少ないのだが
その分設定を多数紹介されていて、お得な感じ。
当時850円。昭和58年、創英新社刊。


スタジオぬえ【団体名】
宮武一貴河森正治などを擁する企画会社。
ロボットが出てくる時点でSFではない、といったSFの考証にうるさい。
が、僕(ペルシャたろー)の大好きな「超時空シリーズ」を作った。(笑)
社長は高千穂遥で、クラッシャージョウ、ダーティペアの小説で有名。
他にも有名人を多数輩出している。


ストリームベース【団体名】
小田雅弘川口克己高橋昌也のメンバーで構成される。
当時のホビージャパンで、キャラクターモデルを
スケールモデルテイストで仕上げる作風を
定着させた功罪者。常識破りの新世代モデラーであった。
模型界の「三連星」とも呼ばれた。
漫画のキャラクターとして、「プラモ狂四郎」に登場した事もある。


すばらしき駄物キット【企画】
”ガンダムは食傷気味、スターウォーズもちょっとという、
SFファンの君、たまにはオモチャ屋の棚や、模型店の隅も覗いてみよう”
などと、要するに売れない駄作キットを使ってカッコよくしてみようといった、
メーカーにとって失礼なホビージャパン1982年5月号の特集。
楠本氏がその才能をいかんなく発揮している。
当時、この特集に影響された僕(ペルシャたろー)と友人数名は
競って「ロボダッチのモビルタマゴロー」を必死にSFメカに改造していた。(笑)
今でもその影響が残っている。またこのような特集を組んでほしいが、
あれだけキットの種類があった当時だから出来た企画かもしれない。
ここで初めてSF3Dの元となったAFSが登場した。


スジぼり【用語】
パネルライン等を表現するために彫られた極細の凹モールド。
もしくは、それを再現・強調する作業のこと。
上級者ともなると、古いキットの凸モールドをゲージにして
全て彫りなおしてしまうという荒技を使うらしい。
ロリなフィギィアの付加価値(笑)のことではない。(じゅ)


素組み【用語】
模型を無改造で完成させること。
子供がトイとして扱うのなら、無塗装でもかまわない。(じゅ)

合わせ目を消し、色を塗るといった、ディティールアップを含む基本工作をした状態。
最近では「いろプラ」を利用して色も塗らずに、
はめ込み完成したものを指すらしい。
大変、嘆かわしいことだ。若者よ、それは「仮組み」というのである。

パッケージのみが資料で、後は色で勝負。
「無改造はいい、心に沁みるうたのようだ
ホビージャパン1984年、3月号)」
松本氏を見習って欲しい。(水)


スーパードルフィー【商標】
ガレージキットメーカーのボークス(VolksInc.)が製作・販売するキャスト製の球体関節人形。
それなりに手がかかるので、お迎えに当たっては、たっぷりの愛情と豊潤な財力が必要。

このあたりは川原由美子先生のコミックス「観用少女」(朝日ソノラマ刊)に通じるものがあるかと。

愛好者の間では、「私よりもいいものを着ています。」とか、
「私よりも衣装持ちです。」という言葉がよく聞かれます。

そして、ウチにもお迎えしたお嬢様(小妙ちゃん)を中心に世界がまわっている人がひとり・・・。

メイクやボディの表面処理など、意外とガレージキット製作の技術が必要です。
(一連の作業はエステと称されているそうです。笑)
当初のターゲットは男性(模型誌読者)だったのですね。
(じゅ)02/06/16


戦闘メカザブングル完全設定資料集【書籍】
完全を名乗るだけあって放映当時発売していた「記録全集」を越えた部分を持つ。
ウォーカーマシンに「バルキリ」タイプがいたなど、素で驚いてしまった。(笑)
販売を前提とした設定資料というものは誰のために存在するのだろうか?
メカデザイナーの参考書というより、モデラーの製作参考書ではなかろうか?
残念なことにそういった意味でこの本はモデラーの視点から作られていない。
詰め込みすぎのようで図版が小さく、カラー設定も全種類は網羅されていない。
後半に超合金魂やプラモデルパッケージの紹介がなされているが、
むしろそんなことにページを割くなら
ボンボン(講談社)で公開していたバンダイによる
「プラモデル用デザイン画」を載せるべきでなかったのか。
1/1000アイアンギアの成型色換え「ギア・ギア」プラモデル付きのものも存在するが、
そちらはアマゾンのみの特別版である。
2,500円(プラモデル付きは3,600円)。2005年、一迅社刊。2005/09/28



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<た行>


竹井鉄雄【人名】
ホビージャパン1983年5月号から登場。
主にミニスケールAFVシリーズコーナーで活躍。
松本氏が彼の登場をこう語っている。
「今回、竹井君が加わって、オメエの松竹梅をそろえよーちゅー悲願も
やっと叶ったっちゅー訳じゃのう。」
オメエとは、この企画の編集者のことである。
状況に応じて「改造派」「無改造派」と、
自在に立ち回ったスイッチヒッター。または蝙蝠男。(笑)


高橋昌也【人名】
模型クラブ「ストリームベース」の元構成員。
他のメンバーに比べると作例が雑で、テクニックが一歩劣る感じがする。
1/100ドム(800円)と1/550ビグロ、1/1200ガウは上手いと思う。
海外旅行が珍しかった当時に、よくアメリカに行っていた印象がある。
モデルガン・ミリタリーマニア。
コミックボンボンの「MS戦記」で、原作者としてデビューする。
後にガンダム・センチネルでも原作(小説)を担当した。



タカラ【メーカー】
(株)タカラ。
プラモデルでは「ダグラム」「クラッシャージョウ」「ボトムズ」を開発。
発売ごとにクォリティがあがっていくのが、感動的だった。
特にボトムズの「1/24スコープドック」など、設定とは似ていないのだが、
メカとしての存在感は圧倒的で、直す気を無くさせてしまう出来だった。
この分野から撤退してしまったのが、残念。

HPからジェニー製品のページがなくなっちゃいました。
とおもっていたら、復活しました。00/11/02(妙)
http://www.takaratoys.co.jp/


タミヤ【メーカー】
(株)田宮模型。
パッケージから塗料、工具に至るまで自社生産している、国内唯一の会社。
僕(ペルシャたろー)の中で、世界一技術力を持った模型メーカー。
当初は木製模型で戦艦などを作っていたが、プラスチックモデルの時代になり、
ミリタリーモデルで有名になった。その後はカーモデル、飛行機モデルでも堅実な作りで、
名実共にスケールモデルの総合メーカーになった。
スケール効果を考えたデフォルメが抜群で、その部品を見ているだけで快感が走る。
その技術のほとんどをスライド金型を使った、部品点数を押さえての
組み立て易さに持っていくという、非常にユーザーサイドに立ったスタンス。
特に1/35ドラゴンワゴンなどは素晴らしい。大型で組み立て辛く思えるが、
組み立てていく内に親切さが実感できるほど。
社長の言葉、
「商売でやっているところと、好きでやっているところの違いを見せてやる」
は名言だと思う。(「田宮模型の仕事」参照。)
昔、キャラクターモデルにも手を出していたのは、余り知られていない。
http://www.tamiya.com/


超絶プラモ道【書籍】
すばらしき駄物キット」の元になるような商品ばかりを紹介した、画期的な本。
僕(ペルシャたろー)は、感動ということが心を激しく揺さぶられることと定義するなら、
近年で最も感動した模型本だと感じた。
1970年あたりから1985年あたりまで、模型屋さんの隅に必ずあり、
いつも見てはいたが買わなかった(むしろ、誰が買うのだろうと思っていた)キットが満載。
読み進めるにしたがって確実に記憶が呼び起こされ、心は当時の少年に戻る。
このような本にありがちな、上っ面だけの内容(ただ笑い飛ばすだけというような)ではなく、
中に付いていた付録や、バリエーションにまで言及しているので、資料的価値もある。
版権にうるさくなった現代、今後こういった本が出ることは2度とあるまい。
「パイルダーロボ」がお勧め。(笑)
この本のおかげでアオシマが重い腰を上げ、
「宇宙空母レッドホーク」と「レッドホークヤマト」の再販が決まった。
はぬまあん著/スタジオ・ハード編、定価1,900円。2000年、竹書房刊。


超絶プラモ道2アオシマプラモの世界【書籍】
上記の「超絶プラモ道」の続編。副題の「アオシマプラモの世界」が大きすぎ、
一目見て続編とは判りづらい。(笑)その通りアオシマ全面協力の元、
現在に至るキャラクターモデルの歴史が解明されている。
構成は序盤がメジャー作品、後半へ進むにしたがってマイナー作品の紹介になる。
今回は資料的側面がやや強く、お笑いの要素が減った感もあり。
アオシマ版「田宮模型の仕事」といえるかも。
僕(ペルシャたろー)は特に後半のページで、ページをめくるたびまた「あっ」とか「うっ」とかいってしまい、
前作で出尽くしたと思っていただけに底が知れない様を見て、修行の足りなさを痛感させられた。
ぜひ次回は密かに超絶道を入っていた「ニットーの世界」をやっていただきたい。(爆)
はぬまあん著/スタジオ・ハード編、定価2,300円。2001年、竹書房刊。01/12/04



ツィンメリット・コーティング【技術】
磁気吸着地雷を防ぐために、ドイツ軍戦車に良く見られた防御策。
主にその再現には、ラッカーパテポリパテを装甲面に薄く塗り、
のこぎり状のブレードでけがくといった手法をとる。
エポパテが使われないのは粘りが強く、装甲面よりもブレードの方に残ってしまうためだからといわれる。
ガンダムのイラスト世界にこの手法を持ち込んだのは小林氏で、
それをガンプラに再現したのは、小沢勝三氏である。
それにしても宇宙世紀に磁気吸着地雷とは、時代遅れもいいところだが、
それにも増して、誰があの巨大な兵器に地雷を仕掛けようと試みるのか、そちらのほうが知りたい。(笑)

・・・いや、初代ガンダム(TV版)にそういう場面があったような・・・。(じゅ)


定番工作【用語】
模型製作の際に必ず行う基本的な作業の総称
一般的には、接合面処理と表面処理をふまえたうえでの
開口部処理や空洞部の裏打ち、エッジ調整やモールド復活などの
簡単なディティールアップ作業までのことを指す。
模型誌のライター級の腕をもつ人になると、我々素人の改造作業以上に
もの凄い質・量の作業を行うので、
素組みでも生半可な改造作品よりも見ばえがよいことがある。
最近のキットは総じて出来がよいので大変楽になった。
いい時代になったものです。(じゅ)


ディテールアップ【用語】
金型の抜き方向により、再現できなかったモールドを復活したり、
部品の大きさの関係で、省略されてしまった部分を追加工作すること。
例えば、一体で成形された機銃の銃口をピンバイスで開口したり、
手すりなどの細い部品はプラスチックでは脆いので、真鍮線に置き換えるといったことを指す。
余りやりすぎると「改造」になってしまうので、ほどほどが肝心。
どこまでがディティールアップで、どこからが改造なのかは曖昧で、いまだに論争になることがある。


テストショット【用語】
型の状態を調べるために、実際に材料を流し込んで出来たもの。
型が完全でないと、成形不良が出ることがある。
模型メーカーが完成見本用に問屋や小売店に配ったりするものがあるが、
その場合、ほとんどが実際の商品と同じ状態である。
僕(ペルシャたろー)は、ガルビオンの「1/48可変サーカス1」、
ドルバックの「1/72ムゲンキャリバー」を馴染みの模型店でもらったのが初めて。
やはりパッケージがモノクロだった以外は実際の商品と同じだった。
バブル崩壊以前はメーカーも羽振りが良かったのか、
「完成見本用商品」として小売店に頻繁に送ってきていた。
特にタミヤは「1/12ウィリアムズルノ−FW14B」や
「1/10RC」など、高額なものを送ってくれていたので残念である。


季刊「デュアルマガジン【雑誌】
タカラがスポンサードするアニメ、商品を中心にした模型雑誌である。
創刊は1982年、夏号から。1985年、春号(通算12号)で廃刊。
創刊時は
「2D+3Dホビーのテーマ、テクニック、コミュニケーションを追及するトータルマニュアルブック」
といううたい文句であったが、長すぎたのか
最後は「2D&3Dホビーのトータルマニュアルブック」になっている。
今見るとかなり豪華なスタッフによって作られており、
青の騎士ベルゼルガ物語」もここで連載していた。
無名時代の「明貴美加」が女の子のフリをしてイラストを描いていたのは、
余り知られていない。(ていうか、これがデビューなの?)
当時定価は680円。タカラ/丸善刊。

作家千葉暁(聖刻1092、聖刻群竜(狼)伝など)は、この雑誌の編集長であった。
遅刊や発売延期がしばしばあるマイナーな雑誌であったが、
当時のモデラーでこれに触れなかった人はいないのでは?
なにより創刊2号の発売を、どれだけ待たされたことか。
創刊当時は隔月刊の予定だった。
自社キットの開発が滞った為、他社キットも取り上げるようになったが、
他模型誌に対するアドバンテージは、模型製作記事ではなく、
むしろ情報量の少なかったタカラスポンサード作品の設定紹介や、
ゲーム・文芸とのクロスオーバー的な分野であったように思われる。(じゅ)


超時空要塞マクロス「MACROSS THE MOVIE」【書籍】
劇場版マクロス「愛・おぼえていますか」の豪華本。
未公開設定満載。この本のためのイラストも多数描き下ろされている。
僕(ペルシャたろー)は劇場版マクロスの資料として、決定版だと思っている。
マクロスのキットを真剣に作るのならば必要であろう。
しかしその価格ゆえ、買うのは本当に躊躇した。
当時8,800円。昭和59年、小学館刊。


デュアルモデル【商標】
タカラが「ダグラム」のプラモデル化を進めている中、より高級な玩具として送り出した。
その名前の由来は内部機構再現による「2重構造」から。プラモデルとはプロポーションが違っており、
「ダグラム」ではプラモデルより精密、「ボトムズ」ではプラモデルのほうが出来がよかった。
後のバンダイが「ハイコンプリートモデル」「MG」の参考にした、といわれる。

超合金にプラスチック製の外装をかぶせたもの。
技術的にはその程度だったが、秀逸だったのはその発想である。
現在の内骨格付きの模型の始祖とも言える。
ダグラムのシリーズでは、設定とおりに外装部品を取り外すことを
売りにしていたが、ボトムズのシリーズにはその設定がなくオミットされた。
(ただし、脚部の降着機構は再現されていた。金属部品ならではの技である。)
価格が高い(同スケールのプラモデルの4倍程度)のが欠点で、
セールスはさほどなかったのか、シリーズは途中で打ちきりとなった。
このシリーズのドッグ級ATは、
タカラ製ゲームソフトの初回限定版にしばしばつけられる。(じゅ)


つや消し【用語】
表面がざらざらしていて、光を反射しなくなった様子。フラットとも言う。
塗料の容器に表示されているのは、
乾燥した表面のツヤが無くなることから。


ツライチ【用語】
「面一」の意味。段差の無い様子。


溶きパテ【用語】
ラッカーパテや、ポリパテラッカー系の溶剤で薄く溶いたもの。
隙間や型に流し込みやすくなるが、ポリパテの場合は気泡が増えたり、
普通に硬化した場合に比べて脆くなる。
商品化したものとして、グンゼの「サーフェサー500溶きパテ」が
スプレー、ビン入りタイプの両方で出ている。
これはラッカーパテ系である。


ドライブラシ【テクニック】
いざ、文章で説明しようとすると、こんなに難しいとは。
筆に含ませた塗料をいったん布、あるいはティッシュなどでぬぐい、
筆先に塗料が残っているかどうかのぎりぎりのところを使って
対象物にグラデーションをかける技法のこと。
戦車などの鋳造肌をも浮き出させることが出来るので、
エアブラシでは出来ない独特の効果が得られる。
筆は、その用途から「腰が強く、毛先の短いもの」が向いている。
ナイロンよりも動物毛のほうが良いだろう。
一般的にはエッジなどのディティール強調が中心と思われがちであるが、
平面部の単調さを補う為にも使用する。
基本塗装をラッカー系で行った後、乾燥が遅くブレンドしやすいエナメル系で行うと、
失敗した際のリカバリーを考えると安全である。
しかし、グラデーションが目的であるので、上手く使えれば松本氏のように
同系の塗料のほうがブレンドされ、深みのある表現ができると思う。
失敗すると目も当てられないが。(笑)


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<な行>


ニコイチ【テクニック】
2種類のキットを使って1つの作品を作ること。
スケールキットでは同一機種が様々なメーカーから商品化されていることが多い。
それでそれぞれの良い部分だけをいただいてしまおう、といった欲張りで虫のいい方法。
下手をすると、持ち寄った部品が合わず、余計に苦労することも。
同様に3つのキットを使用する場合はサンコイチ、4つの場合はヨンコイチと、
無限にバリエーションがある。
膨大な「財力」が必要であるので、貧乏人には真似が出来ない。


ニチモ【メーカー】
(株)日本模型。
1980年代までは、ジャンルを問わずに出していたが、
現在では艦艇を中心に発売しているメーカー。戦艦大和を1/100刻みで
1/200から1/700まで作っていたのは、執念すら感じて怖い。
名作キットが数多くあるに、その多くが生産休止中であるのが残念。
1/500大和と1/500赤城が欲しい…。もう金型が無いのだろうか?
1/200マクロス・ピタバンシリーズもここが開発した。
1/200大和は箱が大きくて、持って帰るのに苦労しました。(笑)

1/500大和は古いキットで、考証が間違っていたために再販されない
と言うことが判明しました。01/01/05
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/nichimo/


ニットー【メーカー】
1980年当時は(株)日東化学。
スケールモデルが有名な会社だった。キャラクターモデルでも傑作が多い。
ついでに超絶プラモも多数。(笑)
当時の1/24トヨタS800、1/24ホンダS800は傑作である。
しかし、そのうち「助手席に座るGALのフィギィヤ(原文のまま)」
「サンルーフから顔をのぞかせるGALのフィギィヤ(原文のまま)」を付属させ、あまつさえ
「パッセンジャーGAL・ヌードGALフィギィヤの作成と改造のマニュアルです。
よく読んで素敵なGALにしたてて下さい。(原文のまま)」と、
大きく「いいコにしたてる方法」と書かれた解説書で熱く語るという
奇行振りが目立つようになる。この流れが後の「幻夢戦記レダ」
「タッチ」「やるっきゃ騎士(ないと)」キット化につながったのは間違いない。死の香りが漂う。
SF3Dを発売。原作者徹底監修の甲斐あってか、どれも出来が良かった。
特に1/20ホルニッセは傑作で、僕(ペルシャたろー)にとって今でも宝物である。
この監修で金型を何度も作り直したのが倒産の原因、という噂もある。
メガゾーン23の開発が決まったとき、意見を葉書で出したら、ちゃんと開発から返事が来て驚いた。
1/15でバイクを作っていたので、1/12か1/24でキット化するように希望したのだが、
返事には1/32でガーランドを予定しているが、
「フィギュアを中心にキット化」する旨が書いてあってがっかりしたことがある。
倒産して金型は主に童友社とフジミが引き継いだが、社長はSF3Dの金型だけは手放さなかった。
現在は商品名を「MA.K.(マシーネン・クリーガー)」として販売。会社の再建を図っている。


NEO【雑誌】
韓国の模型雑誌。創刊は2000年4月号から。
HOBBISTがリニューアルしたものと思って良い。そのため、
創刊第2号(2000年5月号)にはバックナンバーとして、HOBBISTが載っている。
今発売中の数少ない模型雑誌なので、長く続いて欲しい。中身は、
日本のキット紹介が多くなってしまって残念。独自の道を歩んで欲しいものだ。
不況の影響か?広告が少し減ってしまったのも残念。
現在も発売中。


永野護【人名】
「天才」と称されるメカデザイナー。AFVマニア。コスプレイヤー。
ジョージ・ルーカスから、「風呂敷は広げてもいいんだ」ということを
学ぶ(1999年、ニュータイプ3月号別冊付録「まるごと永野護」より)。
それゆえ完結するかどうかわからない話を始めた。
モデラーとしての側面ももつ。流行り物に弱く、それがすぐに作品に反映される。
マジンガーZと鉄人28号が好きで、
モーターヘッドやヘビーメタルのデザインにも反映されている。
特にFSS「ジュノーン」のくだりは劇場用映画「マジンガーZ対暗黒大将軍」とそっくりである。
言い訳が上手い。
設定を見ずに違ったディティールを描いてしまうことがままあり、
「装甲違い」という画期的な言い訳を編み出す。筆の進むままに勢いでデザインをすることもある。
ある意味、彼のデザインはすべて完成していないのかもしれない。
そのデザインで、模型界に挑戦し続けている。
自己陶酔癖がある。昔は嫌いだった。
インタビュー記事を見るうち、根本的なところは僕(ペルシャたろー)に似ているのではないか
という気がしてきた。(笑)



野本憲一【人名】
僕の中では第2の川口克己。作風、精神を受け継いでいると思う。
当初はAFVモデラーであった。F-1モデルも上手かったが、
後にキャラクターモデルを数多く手がけるようになり、
ボトムズのスコープドックの改造で、その才能を開花する。
現在「ウェーブ」で発売されているキットは彼の原型が生かされている。



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<は行>


ハの字肩【流行】
かつて一世を風靡したザクのアレンジ方法。
胴体両肩部をハの字型にカットし、両腕を開き気味に取り付けるというもの。
あおり位置からの撮影にはスケール感が強調されるなど絶大な効果を顕す。
いわゆる小田版。(じゅ)

あっ、さっきまで川口氏と間違えてたのに、こっそり書き直している!(妙)


ハイグレード【商標】
ノーマルの上級にあたるもの。何をもってノーマルとするかが難しいところだが、
とにかく技術、価格ともにハイグレードのほうが上だと思っていれば間違い無い。
イマイバンダイなどが商品で使っている。
僕(ペルシャたろー)の考えでは、バンダイの場合、ガンダムで「HG」を名乗る商品は、
作品放映時にかかわっていた人が、デザインを新たに起こしたものの商品化と捉えている。
ガンダムで4つ発売された後は一度終わってしまい、
次に「HG」を付けたのは「エヴァンゲリオン」からであった。
その後ガンダムはHGUCとして道を行き、
HGはダンバインなどガンダムと関係の無い商品名として使用されるようになった。


ハイグレードユニバーサルセンチュリー【商標】
バンダイが、ガンダムで「HG」シリーズを再開するにあたって名付けた商標。
素人目には「HG」シリーズと大差なく見える。
僕(ペルシャたろー)の考えでは、「HGUC」を名乗る商品は、
作品放映時にかかわっていない人が、デザインを新たに起こしたものの商品化と捉えている。
そのため、斬新なデザインになることもある反面、
全くイメージと違うものが出来あがる可能性がある。



パーフェクトグレード【商標】
バンダイの実験の場。1年ごとに出ていることから、その年の時点での技術総決算であろう。
「HG」「MG」でもない、ボリューム満点のプロポーションに「具」がたっぷりの、お買い得な商品。
1作目は「エヴァンゲリオン初号機」が選ばれた。登場時の10,000円という価格は、
キャラクタープラモとしては前代未聞で、模型ファンの度肝を抜く。
その初版には、シリアルナンバーが入り、「今後用意されている特典」に
「非常に有利になる」カードが封入されていた。しかし、その特典が何であるのか、
今だに発表されたことは無く、触れてはいけないことになっている。
今思えば、これは「詐欺」である。
物で釣って商品を買わせて、物が無いというのは、
公正取引委員会から何か言われて当然の行為なのでは。
おとなしいユーザーばかりで良かったですね、バンダイさん。(笑)
現在も高くなることはあっても、10,000円を下回ることは無い。
「MG」の大型商品の価格が「PG」に近付いており、その地位が脅かされている。



ハゲチョロ【テクニック】
よく擦れる部分の塗装がはげ、地肌が見えている様子を指す。
キャラクターモデルでリアル感を演出するために、当時は必ずといっていいほど使われたテクニック。
理屈がわからずに、あたりかまわずハゲチョロをつけている作品も多数目撃されている。
HOW TO BUILD GUNDAM」の影響大。
ドライブラシでこの効果を得るため、ドライブラシが異様に上手くなった者も出た。
合わせ目が残っているのを誤魔化すために流行った、という説もある。


灰瞬【テクニック】
正式な名称が無いので、「灰に瞬間接着剤」の略で「ばいしゅん」と呼ぶ。
部品をまず接着剤で止めるが、強度に不安がある場合は「裏打ち補強」が必要になる。
普通はプラ板などを更に貼り足して強度を稼ぐが、もっと簡単で確実な方法がある。
煙草の灰を接着部位にまぶして、瞬間接着剤を垂らすのだ。
その直後、ものすごい反応熱と共に白い煙が立ち昇り、灰は一瞬で固まる。
信じられないほど強固な(硬くて加工できないほど)上、
捨てる以外に無い煙草の灰を利用しているので、低コストである。
欠点は見た目が汚いので、本当に「裏打ち」にしか使えないことと、
僕(ペルシャたろー)のように煙草を吸わない人は、
灰の製造が難しいということである。この方法は昔、模型雑誌で1度見たきりで、
試してみてその効果の大きさに驚いたものだった。
なぜかその後は紹介されていないので、不思議な感じがする。
煙草が未成年に悪影響を及ぼすので自粛したのかも知れない。
原理となると深く研究していないのだが、
恐らく「分子結合」に関係があるのではなかろうか?
その後、モデルアートで「ベビーパウダーに瞬間接着剤を垂らす
(プラスチックとほぼ同じ硬さになるため、加工しやすく、見た目も良い)」、
アルテコの「瞬間接着パテ」も同じように
「粉に瞬間接着剤を垂らす(同様に加工しやすく、見た目が良い)」ことから、
同原理のものだと推測できるが、灰瞬は圧倒的に安い。お試しあれ。(笑)


発光ダイオード【素材】
LEDとも言う。外装はプラスチックなので削って加工する事が出来るが、
削りすぎるとダイオード本体が出ておしゃかになってしまう。
方向性があり、流して良い電流量に限界がある。
そのため、電源電圧に合わせて抵抗を入れる必要がある。
計算式を簡単に説明すると、
まずLEDには約2V(厳密には1.7V前後)の電圧をかけないと光らない。
このために電源電圧から2Vを差し引く。つまり、この2Vを引いた電圧が、
LEDが発光した際に抵抗にかかる電圧なのである。
LEDは5mAくらいからすでに発光するが、
光量的には10mAから12mA前後が最適であろう。
そこで、V(電圧)/A(電流)=R(抵抗:Ω)の式をつかい、

(電源電圧−2V)/10mA=抵抗値

という具合に抵抗値を求める事が出来る。
10mAとしたのは、計算を簡単にするための一例なので、
実際には好きな数値を入れれば良いのだが、
先に述べたようにLEDを発光させる場合には10〜12mAが良いだろう。
尚、計算が面倒な人は下の電源電圧に対する抵抗値の表を参考に。
抵抗は1/4W(ワット)が1番安いので、店頭ではこれを叫ぶ。

電源電圧(V)抵抗値(Ω)

4.5


12
83
220
330
620
1K

参考「ホビージャパン1981年10月号」


ハセガワ【メーカー】
(株)長谷川製作所。
今や飛行機といえば、ハセガワというくらいの老舗。
田宮がモデル化の際、スケール効果を考えてデフォルメするのに対し、
ハセガワは図面通りに精確に縮小するメーカーである。
対応の良さは、業界トップレベル。正当(もっとも)な理由があれば、
直接開発の人とも話が出来る優良メーカー。Kさん、その節はお世話になりました。(笑)
非常にまじめな会社で、F-4ファントムの考証が間違っていた時、
金型を造り直してきた時は驚いた。昔はキャラクターモデルも作っていた。
今回のバルキリーはその復活か?
ステルス戦闘機を一枚の写真から設計し、
実機と大きく違っていたという、苦い過去がある。
http://www.hasegawa-model.co.jp/


80年代【時代】
最も模型界がメーカー、雑誌、ファン共に充実していたと考えるのは、
僕(ペルシャたろー)だけだろうか?特に1981年から1984年のホビージャパンは、
手放せない宝物である。

いわゆる、「今が一番いい時代だから」というやつ。
メガゾーン23によって予言されていた。(笑)(じゅ)


光ファイバー【素材】
ガラス繊維で柔軟性があり、一方から光を入力すると、
ほとんど減衰せずにもう一方から出力することが出来る。
宇宙船の明かりを再現するために必ず使用するもの。
スターウォーズの「スターデストロイヤー」では財力が無くなり、気が狂う。


藤田一己【人名】
自称、業界初のインダストリアル・デザイナー。
ZガンダムのMSデザインで一躍有名になる。
ガンダム・センチネルに対抗したホビージャパンの企画「タイラント・ソード」は、
残念ながらブレイクせずに終わってしまったが、スレイヴ・ソードのデザインはいいと思う。
小説版の挿絵として描かれた「藤田版MS」は、ホビージャパンの1コーナーでクリーンナップされ、
特にZガンダムは人気が高く、ガレキも発売された。
バイク大好きなため、コクピットはしばしばそのままの意匠でデザインされる。


PG【商標】
パーフェクトグレードモデルの略。


半光沢【用語】
光沢つや消しの間。半ツヤ、セミグロスとも言う。
塗料の容器に表示されているのは、
乾燥した表面が半ツヤになることから。


バンダイ【メーカー】
ロボットが登場するキャラクターものの版権のほとんどを保有する大企業。
今まで2度転機が訪れている。1度目はガンプラのヒット、
2度目はたまごっちのヒットである。
新製品を得るためには他の要らない商品も一緒に買わなくてはならないという、
抱合せ販売をするので僕(ペルシャたろー)達の業界の間では、余り評判が良くない。
たまごっちの時もそうだった。他の金型代を早く償却したい気持ちは判るのだが…。
初めはスケールモデルも開発していたのだが、
ガンプラのヒットによってキャラクターモデル一筋になったようだ。
そのため、キャラクターモデルを作る技術、ノウハウは他の追従を許さない。
しかし、技術は上がっているに一向にスライド金型を使った、
一体成形の技術を使わないのはなぜだろう?ガンダムの胸など、一発で抜けると思うが。
僕はPGガンダムのハイパーバズーカで、初めて使ってあるのを見た。
MGのZガンダムの時にスケールモデル並の筋彫りにする、
と言っていたのに(どのスケールモデルとは言っていなかったが)
今までと、余り変らなかった。最近のウェーブの商品に負けている。
その反面、とても金型代を償却できないようなアイテムまで、
本金型で生産するといった律儀さを持っている。
永遠の謎である。わざとなの?バンダイさん。(笑)
今のマークになる前はアオシマのマークそっくりだった
(人が万歳している。バンダイの社名は万歳から?)ことは、あまり知られていない。
まだ書き足りないが、このへんで。(笑)
http://www.bandai.co.jp/


B-CLUB【雑誌】
バンダイ発行のアニメ、商品を中心にした模型雑誌である。
それゆえ、バンダイのスポンサードする情報については異常に早い。
収録している漫画の関係で本の開き方向が
右になったり左になったりと、安定していなかった上、
開き直ったのか本の中央に向かってどちらからも読める形態になった時期もあった。
タカラのデュアルマガジンが他社の魅力ある商品も紹介していたのに対し、
この本では全く扱わないという、排他的で度量の小さい面を露呈している。


ヒケ【用語】
蒸発や収縮によって、くぼみが生じること。
射出成形キットだと、裏側のモールドに影響されて表面に出ることが多い。
そのためメーカーは流し込む材質を工夫したり、金型を工夫したりするが、
なかなか完全に取り去ることは難しいようだ。


ファーストロット【用語】
初回生産品。
プラモデルでは、生産が続いていくうちに金型が減ってくるので、
なるべくファーストロットに近い製品が良いものとされる。
現にタミヤの1/24テスタロッサのスリット、
フジミの1/24ランチャ・ストラトスのスリットや
バンダイの1/144プロトタイプガンダムの胸部ダクトは金型の老朽化により、
一部つぶれてしまっている。
繊細なスジボリなども埋まり易い。
ただし考証が間違っていて金型が改修される時もあるので、
必ずしもいい事ばかりではない。
ハセガワフジミの一部商品はパッケージに表示している。


フジミ【メーカー】
フジミ模型(株)。
対応の良さは、業界トップレベル。カーモデルメーカーとして今や老舗の感がある。
ヘリコプターモデルでも機種の多さで評判が良い。
エンスージアストモデルの開発当時の作品は素晴らしいが、
最近は「これがファーストロットか?」と
思うくらいバリがあったり、モールドが甘かったりと残念な作品が多い。
また、「こち亀」の交番をモデル化
(開発は終わっていたが、「ジャンプ」の版権が降りなかった)しようとしたり、
「最終生産」を何度も行う(旧オオタキの1/16トヨタ2000GTはいつ成仏させてもらえるのか。笑)など、
奇行が目立つ。昔、1/50で造った飛行機を今、1/48だと言い張る頑固さがあるのに残念だ。
ハセガワに対抗して、同じ時期に1/72F-14トムキャットを送り出すが、
図面を見誤った(機首の先についているピトー管の先までが全長だと思ってしまった)ため、
全長が1p短くて一緒に並べられないという、苦い経験を持つ。
ペルシャたろー個人として、好きなメーカーなのでがんばって欲しい。
http://www.fujimimokei.com/


Fbが出るまで待つ【ふるばーにあんがでるまでまつ】
Fbとは、ガンダムGP01Fb(フルバーニアン)のこと。GP01の大気圏外仕様
むかし、バンダイから発売されたGP01のキットの出来がアレで、
相当クレームがついたらしく、後にFbのキットが発売された時には、
追加部品だけではなく、大量の差し替え部品が封入され、
ほとんど2機分の部品が入っていたことから、
1.あとから改修された出来の良いキットが出るまで待つ。
2.追加部品の入ったコンパチバージョンが出るまで待つ。
の2つの意味がある。(じゅ)


ホビージャパン【雑誌】
模型雑誌。当初はスケール物中心の硬派な雑誌であった。
1980年にガンダムが登場。以来キャラクター物のページが増えていく。
その紙面も今では半分を広告が占める。
1984年秋に分裂騒ぎで、1度危機に陥っている。
そのため1984年10月号からは、知らないモデラーばかりになってしまった。
1984年9月までを前期、以降を後期と分類する学者もいる?
その分裂騒ぎの中、1人残って紙面を救ったMAX渡辺には頭が上がらない。
バンダイとの癒着が激しいので、彼がMG06Rザクを酷評した時は苦しかったと思う。

電撃ホビーマガジンが出るまでは、初心者にとって敷居が低かった唯一の模型誌。
MG誌MA誌と比較してソフトな物言いや、初心者向けのガイド的な内容が多いのは、
衰退が叫ばれている模型界の維持・拡大を図ろうという自助努力だと思われる。(じゅ)

MG誌も弱ってきたみたいだから、また合併するんじゃないの?(水)
http://www.hobbyj.co.jp/



ホビージャパン7月号別冊
HOW TO BUILD GUNDAM
【書籍】
僕(ペルシャたろー)が、「合わせ目を消す」「パテを使う」ことを初めて知った、
記念すべき本である。意味の判らない言葉がたくさん書いてあって、大人の本を感じたものだ。
キャラクターモデルをスケールモデル感覚で作るという、当時は衝撃的な内容だった。
作品のほとんどはプラモデルからの改造で、TV版を強く意識した内容になっている。
初期設定や開発過程の中間型をモデル化するなど、今見てもインスパイアされる部分がある。
当時850円。昭和56年、ホビージャパン刊。


ホビージャパン5月号別冊
HOW TO BUILD GUNDAM 2
【書籍】
こちらはTV版とはかけ離れて、むしろ外伝的な世界を模型化している。
そのため、アニメそのままの色で塗ってある作品はほとんど無く、
どれも実際の兵器さながらの塗装がなされていた。作例のセンス、レベルは高い。
フルスクラッチ作品も多数登場。MAX渡辺氏のライターデビューはこの本である。
小田氏の1/100ザク06R、徹底改修1/144ジオングは傑作。
当時850円。昭和57年、ホビージャパン刊。


ホビージャパン6月号別冊
青の騎士ベルゼルガ物語
【書籍】
「ブルーナイトU・イン・3ディメンショナルワールド」と、長い副題がついている。
作例の大半がフルスクラッチのためか、
「スクラッチビルド・マニュアル」という解説のページが用意されている。
今見てもテスタロッサはATの世界から外れている気がする。
僕(ペルシャたろー)は、この作品のファンではないのだが、
シャドウフレアが好きなので買った。
豊富なメカデザインとレベルの高い作例、
上記のスクラッチビルド・マニュアルのおかげでお買い得な一冊だった。
当時980円。昭和63年、ホビージャパン刊。


HOBBIST【雑誌】
韓国の模型雑誌。80年代初め頃のホビージャパンに雰囲気が似ている。
韓製英語でタイトルがついているが、
お年寄りには「趣味家(CHWIMIKA)」と言わないと通じない。
僕(ペルシャたろー)はこれのバックナンバーを集めており、
買い過ぎて税関で止められたことがある。(旅行日記「韓国その4」参照。)
1999年12月号(通算100号)をもって、廃刊になった。


ホビーハンドブック1「超時空要塞マクロス」【書籍】
価格とその形態からお子様向けかと思いきや、「スタジオぬえ」の総監修でかなりマニアックな本。
モデルとイラストで「超時空要塞マクロス」の背景となる世界を表現している。
この本で初めて開発史や、「落下前のマクロス」
「VE-1の原型となった、電子戦用VF−1D」などのイラストが公開された。
この本を読むとイメージが一気に膨らむという点で、
マクロス版「ガンダム・センチュリー」といっても過言ではあるまい。(笑)
作例のレベルがやや低いのが残念。当時480円。昭和58年、小学館刊。


ポリキャップ【素材】
アニメプラモで初めて採用されたのは、バンダイの「1/60ガンダム(2,000円)」である。
長く遊んでもへたらない可動部は、画期的なアイディアであった。
現在のロボットプラモには欠かせない存在。
バンダイでシリーズ全てに導入したのは「銀河漂流バイファム」からである。
当時は貴重な素材で、ランナー(枠)までも利用の対象となっていた。
素材として単売を始めたのはウェーブが最初。現在ではさまざまなメーカーから発売されている。
いい時代になったものです。


ポリパテ【素材】
正式名称は、ポリエステルパテ。主材と硬化材の混合により、化学反応で固まり、
その多くは15分程度で反応が終わる。元は自動車などの補修用として誕生した。
臭いが強烈。硬化剤を混ぜすぎると脆くなったり、反応熱が大きくなる。
「削り派」のモデラー御用達。だが、
ペースト状なので混合しているときに空気を含んでしまい、
それが硬化後に「気泡」として現れる。
これは逃れられないことなので、仕上げの際は「ラッカーパテ」などで
気泡をつぶす工程が必要。
プラスチックなどへの食いつきが悪いので、瞬間接着剤を併用すると良い。
ヒケ」はあるが、無いに等しい。
模型用としてはタミヤワークの商品が手に入れ易いが、
カーショップにある自動車補修用のものでも使える。
その違いは主に「きめの細かさ」「価格」にあり、
模型用は概して自動車補修用より価格が高い。芯を自動車補修用、
表面を模型用で造形すると安上がり。
小田氏が普及に努めた。


ボールジョイント【素材】
プラモで初めて採用されたのは、バンダイの「ジョイントロボ」である。
当時「グレンダイザー」「ライディーン」「ガイキング」「ダンガードA」などが発売されていた。
僕(ペルシャたろー)が、ボールジョイント欲しさに買い溜めしていた頃が嘘のようである。
素材として単売を始めたのはウェーブが最初。現在ではさまざまなメーカーから発売されている。
いい時代になったものです。

ボークス【メーカー】
京都に本拠を置く老舗ガレージキットメーカーのひとつ。
F.S.S.関連キットを世に送り出す一翼であるほか、
いまや1/6素体で圧倒的なシェアを得た「ドルフィー」シリーズや、
神秘的な球体関節人形「スーパードルフィー」などを提供することから、
ドール者にとっても聖地のひとつでもある。
プロの完成品を間近で見ることのできる”ショールーム形式”で支店展開しており
いわゆる”魅せて売る”の魁とも言える。(物欲刺激まくりです。)
また、”造形村”ブランドのオリジナル工具&マテリアルの販売も行っている。
最近では12インチ男性型素体の分野でも頑張っているようです。
板では某楠とも書かれる。(じゅ)02/06/16
http://www.volks.co.jp/

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<ま行>


マスターグレード【用語】
バンダイが「HGシリーズ」の上位商品として使っている商標。
その多くは内部機構も再現しており、価格も高くなっている。
実際にアニメで使われた設定よりもディディールがアレンジされている。
「出戻りモデラー」も組めるようにという配慮のもとに開発が進められたが、
作業工程が増えたため「未完成病」の温床になっている。
内部機構は見えないのだから、と全く色を塗らずに完成させる人も多い。
いっそのこと、見える部分以外の内部機構をはずして
価格を押さえた「MGイージー」を発売してはどうか?



松本州平【人名】
ホビージャパン1982年11月号のモデラー訪問での肩書きは、
「イラストレーター」「ロックアーチスト」となっている。
「改造しちゃアカン!」がポリシーのドライブラシの達人。
ぼかし迷彩をも筆で行ってしまう。
AFVモデラー。
まれに飛行機も作る。なぜドライブラシなのか、の訳は
ホビージャパン1982年11月号で語っている。
塗料はラッカー系を愛用。エナメル塗料は黒と茶だけ、工具はカッター、焼針。
焼針一本でどんな直径の穴でも自在にあけられることから、
別名、「焼針の帝王」とも呼ばれて(ホビージャパン1983年7月号)いる。
彼が1/72、1/76といったミニスケールAFV普及に貢献した成果は大きい。
しかもキャラクターモデルを作らせても上手かった。
1/144リックディアス(モデルグラフィックス1985年7月号)は、
無改造とは思えないほど重量感にあふれている。
ホビージャパン1983年5月号で「禁」を破り、パンサーA型をD型に改造している。
何でも、「よくわからないうちに、」だそうで。
以後、改造するたびに「ハードディティールアップ」と言っていた。
「州平(シューへー)のドライブラシ七変化(ホビージャパン1984年8月号)」で、
秘伝を公開している。
名言、ファンは多い。
モデルグラフィックスに移ってしばらくは「スワン松本」と名乗っていた。
水無月は、この人の精神を受け継いでいる。(笑)


MAX渡辺【人名】
本名、渡辺誠。生粋のアニメモデラー。
mpc1/72バルカンという飛行機を見て、
キャラクターモデルだと思って(ホビージャパン1984年8月号)いた。
「売られたケンカは勝ち負け関係なく買う事にしている
青の騎士ベルゼルガ物語P.114「テスタロッサに関する一考察」より)」
という武闘派な性格は、
高校時代にボクシングをやっていた(ホビージャパン1983年5月号)せいだろうか?
ホビージャパン史上最もバルキリーを作った人。
マクロスにはまり込んでいたのか、
ホビージャパン1983年12月号から「マックス」を名乗る。その同号の作例、
1/15モスピーダ「ライディングスーツwithライドアーマー」の仕上げの荒さは、
触れてはいけない過去である。
この人の1/60ジョニーライデン・ザク(ホビージャパン1984年2月号)は完璧。
MGの開発時に生かして欲しかった。
デビュー時からエポキシパテ(エポパテ)を愛用していたのに、
模型製作ガイドを担当するようになってからは手のひらを返す様に、
エポパテ有害説を唱える。
現在は「MAXファクトリー」社長の傍ら、カレー屋さんも経営。

1/60ザクのキットを2つ使ってグフを製作し、HJ誌の読者投稿欄にデビュー。
それ以来、同じキット2つ分の部品を使って発展型を製作する時には、
大概この人の名前がでてくる。(じゅ)



宮武一貴【人名】
スタジオぬえでもっとも有名なメカデザイナー。
ゼロテスターから、ずっと第一線で活躍しているのは脅威。
有名なパワードスーツのデザインは、今でも商品化されるほどである。
ギンガイザー好きです。(笑)
巨大戦艦を描かせると、右に出るものがいない。
さらば宇宙戦艦ヤマトのデザインはほとんどこの人の手による。
アンドロメダの生みの親。河森正治の師匠。
昔、同人誌にヌード画を描きまくっていたのは、あまり知られていない。
近年、ゲーム化に合わせて宇宙戦艦ヤマトのデザインをリニューアルしている。


宮武一貴マクロス&オーガスデザインワークス【書籍】
マクロス以外にオーガスがタイトルに上がり、発売が延びたこともあってかなり期待したが、
オーガスについては全114ページ中14ページしかなく、
大半がマクロス。カラーページがないことも手伝って、
河森正治マクロスデザインワークスに比べ、ボリューム不足感は否めない。
しかしながら新たに目にする資料があり、
ゲーム「VF−X2」、「オーガス」ファンは持っているべき本であろう。
僕としては、氏の真骨頂は「浦賀」に代表される艦艇だと思うので、
次回があるなら、艦艇中心+ゼロテスター+ギンガイザーでお願いしたい。
というか、ぜひお願いします。
3,000円。2005年、ムービック刊。2005/09/28



未完成病【用語、不治の病】
最初のうちは買ってきたキットをきちんと完成させているが、
そのうち買っては来たものの、パーツを眺めているだけで満足してしまうこと。
どうも僕(ペルシャたろー)には、昨今の商品リリースの早さ、
作業工程の複雑さがこの病の原因ではないか?と感じている。
パーツを見て、妄想が涌き出てきて止まらなくなり、
頭の中で完成してしまうという想像力のたくましい人も陥りやすいのかも。(笑)
持っているだけで満足、という「コレクター」もそうか?
黒須氏は「空モデルテクニック」の中で、
”症状の表現として「手が動かなくなる」という言い方がよくなされる。
しかし、手が動かすのは手自体ではない。脳、あるいは心である。
つまり、未完成病とは、心の病なのだ”としている。

それは俺のことか!(水)


メカコレ【商標】
メカコレクションの略。
バンダイの100円シリーズ。宇宙戦艦ヤマトシリーズが有名。
その価格からは考えられない程まともなキットで、
物によっては2回り以上大きいスタンダードサイズより似ているものがある。
価格で統一されているので、スケールは物によってまちまちだった。
子供の小遣いで買えたことがヒットにつながり、ヤマトシリーズだけで30種類発売される。
後に「ブルーノア」なども発売になるが、最後のキットに関しては不明。
同じ大きさ・価格で、古くは「マーク(倒産)」のXボンバーシリーズ、
イマイ」のミニシリーズがあるので、この流れで企画されたのであろう。
そう考えると、「ニチモ」のピタバンも影響を受けた最後のシリーズといえなくも無い。
ヤマトシリーズは、今までに何度か再販になっている。
再販しても値上げすることがほとんど無いバンダイにしては珍しく、
2倍の価格になった。以前の価格になじんでいたので、今買うのはどうも抵抗がある。(笑)


模型情報【雑誌】
アオシマのプラモファン、イマイの模型情報、グンゼのホビーニュース、
タミヤのタミヤニュースのこと。主に自社製品の今後のラインナップ、
改造記事、読者投稿で成り立っていた。イマイとタミヤが有料である。
アオシマはイデオンの劇場公開に合わせての創刊、イマイはマクロス、
グンゼはドルバックに会わせて創刊されている。
不思議と当時バンダイはカタログ(無料)は作っていても、この手の情報小冊子は作っていなかった。
ガンプラが爆発的に売れていた(行列で事故も起きていた)ので、作る必要が無かったのかもしれない。

後にMSVの頃(ガンプラが下火になり始めた頃)からドラグナーの頃まで
「模型情報(MJ)」として発行された。これは有料だった。
B-CLUBと内容がかぶるようになったので止めてしまったのかもしれない。
イマイはその後番組である、オーガスやサザンクロス、
ガルビオンまで出しつづけていたが、アオシマやグンゼは
創刊時の番組が終わってしまうとすぐに廃刊になってしまった。
現在でも生き残っているのは、一番長い歴史を持つタミヤニュースだけである。
近年では、より低年齢層に会わせたタミヤジュニアニュースも出ているが、
こちらは無料配布されている。

※2003年3月20日にBBSで安藤優弥さんから情報をいただきました。
「バンダイの模型情報ですが、歴史はタミヤニュースの次ぐらいに
古いモノです。確か最初のガンダムが出るか出ないかぐらいの
時代から存在しています。最初はぺら1枚を折り畳んで、縦長
タミヤニュースサイズ、2色カラーでした(無料)。
その後、キチンととじた縦長のタミヤニュースサイズ(100円)
になり、B5変形を一瞬へて、タミヤニュースサイズに戻り、
B5サイズ俗に言う「MJ」200円になり、最後はA5サイズで休刊
になっています。」ありがとうございます。03/03/21


モデルアート9月号臨時増刊
飛行機モデルテクニックガイド1
【書籍】
「第1次大戦機の作り方」「ライトの透明工作」「透明部品の基礎工作と応用テクニック」
「ヒートプレス」「フラップダウン」「完全武装計画」「武器製造計画」「金属素材の使い方」
などに触れている。飛行機の武装・武器の工作は、
これまでないがしろにされがちなテーマだったので、貴重な資料となっている。
また、バキュームフォームキットの作り方も書いてあるが、
現在ではより簡単で確実な製作法が確立されているので、残念ながら
参考にしかならないだろう。
2,136円。平成11年、モデルアート刊。


モデルアート1月号臨時増刊
飛行機モデルテクニックガイド2
【書籍】
前作の完全な続編として編集されているので、そのまま続いている項目もある。
飛行機モデルではそれほど多くない、「レジンキットの作り方」
「表面を仕上げる」では、スジ彫りと表面ディティールについて。
今では失われた技術として珍しい、「木を使って作る」。
「イグニッション!」では、空冷エンジンの工作に触れている。
お勧めは、「コクピットに凝る」「ヒートプレス2」。
前者は、丁寧に仕上げると全体の精密感にも影響を及ぼす効果が得られ、
昨今の1/24、1/35、1/48、1/72という
キャラクターモデルにも応用の効くテクニックであろう。
後者は、キットのパーツを利用したキャノピーの自作である。
ハセガワのバルキリーでTV版キャノピー(J型も劇場版A型と同じ金型で発売予定。うぅっ。)や、
複座型が発売されなかったときに必要になるであろう。(笑)
2,136円。平成8年、モデルアート刊。


モデルアート9月号臨時増刊
艦船模型テクニックブック
【書籍】
1/700ウォーターラインシリーズの工作に必要なテクニックは、ほぼこの一冊あれば間に合う。
ほとんどキャラクターキットには関係無いと思われがちであるが、松本零士系の「宇宙戦艦」
では多少、必要になってくるかもしれない。
リアルを求めても仕方が無いロマンの世界だが。(笑)
1,800円。平成11年、モデルアート刊。


モデルアート7月号臨時増刊
F-14トムキャット
【書籍】
F−14を題材にした模型本は映画「トップガン」の影響で数多く出版されたが、
この本は決定版である。とにかくトムキャットが好きなら、持っていなくてはいけない本。
作例のレベルが高く、ハセガワの1/48など写真の技術もあると思うが、
どう見ても本物にしか見えない。
ハセガワの1/48キットが「可動」を前提に作られていたこと、
フジミの1/72キットの致命的なミスなど、初めて明かされた事実は多い。
ハセガワ1/72、フジミ1/72を比較しながら、同時に組立工程を見せている。
本ホームページの模型丼「特集」の見せ方の参考になっている。
残念ながら、現在は絶版。
当時2,000円。平成元年、モデルアート刊。


モデルアート7月号臨時増刊
空モデルテクニック
【書籍】
黒須吉人の「僕的」プラモ製作技法書。
タイトルから飛行機モデルの参考書か?と思うかも知れないが、
キャラクターモデルやカーモデルにも応用の効く技法満載である。
独特の文体から語られる、随筆にも似た「読み物としても十分楽しめる」本。
そのせいか僕(ペルシャたろー)には何度読み返しても面白く、ここ数年で最もお気に入り。
すっかり座右の書になってしまった。入門者のためのページも用意されているが、
カラー写真が少なく文章中心のため、残念ながら入門者というよりも中〜上級者向けの感が強い。
どちらかというと、以前プラモデルをやっていたが止めてしまい、
最近また始めた「出戻りモデラー」のための本かも知れない。
大まかな内容は、「基礎を固めれば何でも作れる」
「ぜったいに上手くなるエアブラシ講座」「未完成病からはこうして這い上がる」
「史上最強のスジ彫りガイド」「入門者・再入門者のための工具解説」
「飛行機プラモ以外にも役立つ情報満載」とあるが、僕は「モデラー人生相談」がお勧め。(笑)
当時1,359円。平成6年、モデルアート刊。


モデルアート5月号臨時増刊
カーモデル・テクニックガイド」
【書籍】
カーモデル製作ガイドの決定版。
他のカーモデルガイドを買わなくても、これ一冊あればほぼ満足できる。
要領良く、美しく作る方法が書いてある。
モデルアートにしては珍しく噛み砕いた内容で、初心者にも十分理解でき、上達も早いと思う。
更に現在では当たり前の技術になっているものの、どういった技術なのか今一つ判りにくい
「研ぎ出し」について語っているが、本誌(1989年8月号)よりも省略されているのが惜しい。
ホワイトメタル、レジンキット製作法にも触れられている。
刊中に入っている製作実践漫画は、絵柄のせいもあり浮いている。
残念ながら現在は絶版。
1,456円。平成2年、モデルアート刊。


モデルアート8月号臨時増刊
飛行機モデル塗装と仕上げテクニックガイド1
【書籍】
最も塗料の性質について詳しく述べられている。
飛行機モデル、とタイトルにあるが、おおよそプラモデルに色を塗ろうという人は
持っていて損は無いと思う。
今までの交差法ではない、筆によるムラの出にくい塗り方の紹介。
更に「エアブラシ、缶スプレーでの塗装」「迷彩の方法」
「銀塗装の考察」、などについて触れられている。中でもお勧めは「筆塗りによる銀塗装」である。
コラム「思い出の失敗」も共感できること、請け合い。(笑)
1,845円。平成8年、モデルアート刊。


モデルアート4月号臨時増刊
飛行機モデル塗装と仕上げテクニックガイド2
【書籍】
これも飛行機モデルにとどまらず、持っていて損の無い一冊。
「デカールテクニック」「汚れと汚し」「フィギュア」について考察している。
特に「汚れと汚し」は、キャラクターモデルで「リアル」を目指す人なら見ておくと良いだろう。
1,845円。平成9年、モデルアート刊。


モデルアート6月号臨時増刊
飛行機モデル塗装と仕上げテクニックガイド3
【書籍】
「風防を美しく」「レタリングの技術」「モデルのツヤを考える」
「パソコンでデカールを作る」「筆塗りでの迷彩塗装」「細部塗装の研究」について触れられている。
特にパソコンでデカール、というのはあまり雑誌で大々的に取り上げられたことは無いので、
貴重な資料となるだろう。また、細部塗装については、より立体感のある仕上げ方が紹介されている。
こちらも各種模型製作に応用が効くと思う。
1,762円。平成10年、モデルアート刊。


モデルアート【雑誌】
スケールモデル中心の模型雑誌。どの作品も質が高い。
キャラクターモデルはほとんど取り上げない。
むしろ、キャラクターモデルを卑下する傾向すら感じられる。
まじめな編集方針。しかし
残念ながら最近、市場がキャラクター物中心になったせいか、今1つ華やかさに欠ける。
読む側も送り出す側も年齢が高いせいかも?(笑)
今ではカーモデルで当たり前の技法である「研ぎ出し」は、この本が祖である。
別冊の質が高く、ほとんどが座右の書に成りうる良書であることを忘れてはならない。
僕(ペルシャたろー)の1番好きな雑誌。
現在も発売中。


モデルグラフィックス【雑誌】
1984年11月号創刊。当時の価格は580円。
ホビージャパンのライターが、大挙移籍して完成した模型雑誌。
そのため作例のレベルは当初から高かった。途中から、収録している漫画の関係で
本の開き方向が
右になったり左になったりと、安定していなかった上、その形状から非常に保存しにくい。
創刊2年目あたりから学徒動員(青田刈り)を多用したため、
年齢の割りにものすごいテクニックを身につけた者や、道を踏み誤った者が出ている。
編集やアニメモデラー間で「アイドル」にハマっていた時期があり、
今見るとかなり恥ずかしい。しかし、このおかげで結束が強くなり、
ワークス体制→ガンダム・センチネルへと発展するのである。
現在も発売中。


MODELER2000【雑誌】
韓国の模型雑誌。詳しいことは判らないが、ホビージャパンから
モデルグラフィクスが分派した様に、これもHOBBISTから
分派して生まれたのではなかろうか?創刊当時のモデルグラフィックスに雰囲気が似ている。
僕(ペルシャたろー)は、1995年12月号を持っているが、他に見たことが無い。
ひょっとすると1号で廃刊になったのかもしれない。どなたか情報をお願いします。


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<や行>


安彦良和【人名】
初代ガンダムの設定書は彼によってクリーンナップされているので、無視できない。
とにかくアニメーターの立場からものを考え、なるべくメカの線を減らそうとする。
「クラッシャージョウ」の「コルドバ」のデザインに音をあげ、
デザイナーである河森氏に動画を描かせた話は有名。
ガンダムF91の時もアニメーターの視点から、主人公メカのデザインに参考意見を描いている。
ペルシャたろーはあるコンテストで優勝し、イラスト入りサイン色紙を手に入れた。
また、水無月は多大な影響を受けている。(笑)



横山宏【人名】
巷ではSF3Dなのだろうが、神林長平の戦闘妖精雪風や、
谷甲州の航空宇宙軍史シリーズ(共に早川書房)の挿し絵も好きです。(じゅ)

金型を何度も改修させる頑固さ。それがニットーの死期を早めた、という噂がある。
SF3Dのキットは当時「パワードスーツ系」を中心に集めていて、大好きだった。
今でもそのまま持っているが、失敗するのが怖くて組み立てられない。(笑)
プラウラーとカウツがもう一つずつあれば…。
武蔵野美術大学卒。テニスとサッカー命で、仕事をほっぽり出すことがあるらしい。



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<ら行>


ラッカー系【塗料】
即乾性なので、薄めに溶いて手早く塗ること。
シンナーには気をつけましょう。
昔、ペルシャたろーが蓋を開けたまま寝てしまいエライ目にあったことがある。(じゅ)

乾燥が速く、湿気の影響を受けにくい点が多湿の日本に合っている。ツヤのコントロールが容易。
塗膜は堅牢で、エナメルや水性アクリルに侵されることは無い。
しかも変質しない(エナメル、水性アクリルともに変質する)ので、
完全に固まった状態からでも専用シンナーを入れて数日置くと、再び使えるようになる。
いい事ずくめのようだが、その乾燥の早さが仇となって、筆塗りではムラを生じやすい。
そのため、わざわざ乾燥を遅らせる「リターダーシンナー」というものまで
発売されている。更に重要なことは、臭いが強烈であることと、
長時間吸引すると健康を害することである。僕(ペルシャたろー)は、
シンナーの蓋が開いていたのを知らずに中毒になってしまい、
2度ほど交通事故を起こしかけたことがある。皆さん、注意しましょう。


ラッカーパテ【素材】
通常、最も使用頻度が高いパテ。パテに含まれている溶剤が蒸発することにより、硬化する。
そのため、厚く盛ると外側だけが固まって、中はいつまでたっても固まらない、ということも起こりうる。
また、空気中に逃げた溶剤の分だけ目減りする「ヒケ」があるので、
1mm以内の隙間や段差の修正に使うのが良いだろう。
溶剤がラッカー系塗料の溶剤と同性質のものであるから、
ラッカー系の溶剤で粘度を調節することが出来、またパテが固まっても溶かすことが出来る。
パテ盛りした上にラッカー系塗料を塗るとパテが溶けてきた!なんてことがあるが、
これは上記の理由によるもの。その溶剤のおかげで、
プラスチックへの食いつきがとても良い。


リューター【工具】
穿孔、切削、切断、研磨等に使用する電動工具
ただ、基本的には彫金・ガラス工芸用なので、プラスチックに使用する時は
摩擦熱で材料が溶けないように回転数を低く押さえる必要があります。
(購入される際には回転数を調節できるモデルをお奨めします。)
作業の高速化に大いに寄与してくれますが、
しばしば走りすぎて、大きな傷をつけてしまったり、怪我をしたりすることがあるので、
しっかりとホールドすることが必要です。
歯科医といえば思い出すもの、ソレです。(じゅ)


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<わ行>


ワーク【メーカー】
(株)ワークアソシエイション。
「モリモリ」「スベスベ」「ドロドロ」と、まるでグレンダイザーの円盤獣のような名前の
ポリパテを販売し、しかも質も高かったので実質ポリパテシェアNO.1の地位を物にした。
ここのメーカーのネーミングセンスは、どれも異様である。(笑)


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<余録>


旅行日記【コーナー名】
ウチのメンバーに義務づけられているもの。
一般には、ペルシャたろーの旅行日記のことをさす。
ペルシャたろーや某玩具店の常連さんが頻繁に韓国に行くのは、
模型関係の掘り出し物が多いことと無関係ではない。
この旅行日記では、彼らが大荷物と欲望の狭間で葛藤する姿が
余すところなく露わにされています。(笑)(じゅ)


ペルシャたろーの部屋【コーナー名】
夢がつまっている部屋。
そのため、床が見えない。(笑)(じゅ)

本人はわからないみたいだが、他人からすると相当面白い。
新築当時のきれいな部屋はどこへ行ったのか(笑)。
プラモ買いすぎ。(水)

最近は押さえてるけどなぁ。


J2.Alt.Net.【サイト名】
ウチのサイトです。
メンバー4人で交互に更新しています。
でも、検索サイトからいらっしゃるお客様が多いせいか、
ウチの本当のサイト名をご存じの方は少ないようです。
ちょっと寂しい。(笑)(じゅ)02/06/16
http://homepage1.nifty.com/j2altnet/

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