HOW TO BUILD GUNDAM


HGUC1/144シャア専用ゲルググ

「設定重視」ペルシャたろー

 このキットはHGUCシリーズ70番目にあたり、とてもTVのイメージをつかんでいるように思えます。量産型ザクに引き続き、2週間工作しようとゲルググに手をつけたのですが、倍の4週間かかってしまいました。

 それは僕が1年戦争モビルスーツで好きなメカのため、手を入れすぎたことと、不可解な部品割で工作に時間を浪費したためです。では、僕が直した点を見ていきましょう。10点あまりの部分が気になりました。

1.羽飾り(中隊長ブレードアンテナ)
 頭部に対して大きすぎるようです。旧1/144キット時代から大きい部品ですが、おそらく接着面積を稼ぐためかと思われます。このキットではスナップ化したため、より大きくなっていますので、2/3の大きさにし、断面を滑らかな形状に削りました。この工作は、おもちゃっぽさを払拭できる効果が高いようなので、お勧めです。

2.頭部
 ザク同様「萌え化」の傾向が見られたので、鼻面を下へ下げ、それに伴いあごを下方向に0.5mm厚みを増やします。


隙間とスロープのつながりはエポパテで。

3.肩当て
 設定の肩当ては前後方向にもっと薄く、ツノが外へ開いているので、以下のように工作。


緑色で示した、B13〜16の接着面を削ります。


その後、外形を削って整えます。
ツノ下部は結構削りますが、厚みのある部品なので
特に裏打ちの必要はありません。

4.肩球の間隔
 ゲルググの肩球は胴体にめり込んでいるはずなのですが、キットでは可動のために距離があります。D10、11のポリキャップストッパーを一節分削り、なるべく胴体に密着するようにしました。蛇腹も欲しいところですが、収拾つかなくなりそうだったので断念。

5.ひじ
 MGから可動のために大きくデザイン変更された部分です。理想は旧1/144ゲルググキャノン方式ですが、自作するとなると大仕事になるので、それなりの可動を確保しつつ、切欠き部分をプラ板・エポパテで塞ぎました。


D12の形状を変更するため、
エッチングソーで切断→ヤスリがけ→再接着。

この部分はABS。接着は「アセトン100%」を使用しました。
モデラーズの「さらさら接着剤」も二塩化メチレンなので、
使えます。

タミヤの流し込みセメントはアセトンが含まれていますが、
酢酸ブチル40〜50%アセトン40〜50%のため、
ABSの接着はやや弱いようです。
(製造元池上塗料工業調べ)


塗装後、前腕部を接着。

このキットは頻繁に塗装→接着→整形の繰り返し工程がでてきます。

6.胸と腰の勘合部
 メーカー的には部品を合わせて「リアル風すじ彫り」としたかったのでしょうが、C13、15にバンダイエッジが発生しているため、面がつながりません。やむを得ず、接着→ラッカーパテで整形しました。しかし、思ったより段差があり、何度もヒケの整形をする羽目になってしまいました。ここは瞬間接着剤+硬化スプレーにすべき(要マスキング)でした。

7.股間部
 下方向の長さが旧キット同様足りないため、1mmプラ板を貼り足しました。

8.太ももの長さ
 1年戦争時のモビルスーツデザインは、メカというより「人間の比率」」にとてもよく似て(人間は股間〜ひざまでとひざ〜足裏までの長さはほぼ同じ。ウチの水無月がいうのだから間違いありません。笑)います。ところが、ももが短く、すねの長いZガンダムから採用された比率に引っ張られているのか、最近のガンプラは立てひざを付くのにものすごく苦労しているようですね。

 このキットでは2mm延長しました。そのままではスケールが変わってしまうので、すねから下で2mm詰めます。

9.すねのフレア
 HGUCドム同様、内側と外側のフレア曲率が変えてあるのはよい部分です。ガンダムやザク等、他にも採用していただきたいところですが、ゲルググは長さを変え忘れている様子。以下のように工作しました。


緑色の部分、中央(B27)で2mm詰め、内側のフレアをカット。

10.足首
 A7のポリキャップを止める部分を掘り下げ、2mm深く挿入できるようにします。その上にかぶさるA10の裏側には2mmプラ角棒を接着し、ポリキャップを押さえるようにします。

11.その他
 旧1/100、1/144キット同様、スカート後部が長く垂れ下がっており、軽快さに欠けるように見えるので、6mm短くしました。また、スラスター基部もそれに伴い短くします。スラスターは元の状態でもスカートからはみ出ていますので、スカートをいじらない方も短くしたほうがよいかと思います。

 最後に、すねフレア内部はスナップ勘合のため、巨大なピンがあります。そのままではすねスラスターの噴射口にかかるばかりかおもちゃっぽいので、削り取りました。


 塗装はぴったりな色がなかったため、GSIクレオス、ガイアノーツを使って調合しました。基本色はオレンジの強いピンクと茶色の強い赤、そしてビームライフルはいつも使っているガンメタルにクリアーブルーを混ぜました。その後、エナメルの灰茶で洗い塗り。エッジはメタルカラーアイアンとクロームで控えめに擦れを表現しました。


元キットより重量感が出ていれば成功。
後は気が向いたときにマーキングしたいと思います。
暫定完成!


リアビュー。
シールド中央はミッドナイトブルーで塗りました。


シールドのバンダイエッジが処理できないと思い、
すじ彫りを入れてごまかしました。(笑)


短くしたスカート。
設定画の雰囲気が出てると思います。

また、ひじのシールドマウントはエポパテで埋めました。
それゆえ、このゲルググはシールドを手に構えることができません。


僕の世代は噴射口を赤く塗るのが定番でした。


設定画に近い角度から。


 今回の気付き点。

 冒頭にも書きましたが、フォルムはとてもいいのに部品割が不可解すぎます。ふともも等まっすぐに合わせ目が出てしまい、リアル風すじ彫りに見せる工夫のかけらもありません。胸・肩当ても前後に割っているので目立つ部分に合わせ目がきます。前腕も同様。部分によっては不評のMG8作目を下回っています。

 なぜここまで苦言を呈するかといえば、かなり前に出たHGUCドムですでにクリアできていた部分だからです。設計者が違うのだとしても自社の製品を見ることもできないのでしょうか?塗装→接着→整形のループで3週間ロス。瞬間接着剤とアセトンのみで組み立てるべきでした。

 他メーカーでは問題のない、レジンウォッシュ脱脂。塗装前に5秒程度漬けたところ、割れました。修復に3日間ロス。

 塗装では、発見が!「モデラーズのパープルとGSIクレオスのミッドナイトブルーを混ぜるとモデラーズ側が凝固する」。同じラッカー系なのに。ハンドピースは詰まるし大変な目に遭いました。これでシールドの塗装が単色になってしまったのです。



参考:ホビージャパン1982年3月号。

07/04/30

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