タミヤとエアテックスのハンドピース部品は一部シリーズで互換性がある
■タミヤのHGエアブラシとHGファインはエアテックスのXPシリーズと部品が共通している。特に形状の違うニードルカバー(エアテックスではノズルキャップと称する)は出口での塗料の拡散にかかわるので、用途によって変えたいところ。一般にニードルカバーは口が広いほど乱気流を招かず、塗料が口に溜まりにくい。
タミヤのハンドピースをアップデートする
■タミヤのハンドピースはひっそりと改良されている。2000年辺りの製造から、内部パッキンが通常のゴムからテフロンパッキンに変更されたのだ。後者はラッカーシンナーに対して耐性が強く、長持ちする。古いバージョンを持っている場合、メンテナンスに出せば自動的にテフロンパッキンに交換される。
タミヤのハンドピースは口径を変更できる
口径(mm) |
商品名 |
口径の変換 |
0.2 |
HGファインエアーブラシ |
0.3に変換可能。 |
0.3 |
HGエアーブラシ |
0.2に変換可能。 |
0.5 |
HGエアーブラシワイドトリガータイプ |
不可。試作機では互換があったが、量産型でノズルねじのピッチが変更になった。 |
■HGエアーブラシを0.2mm口径に変更する場合、3つの部品を必要とする。ノズル、ニードル、ノズルカバーである。
ノズル |
\1,400(税抜き) |
ニードル |
\640(税抜き) |
ノズルカバー |
\630(税抜き) |
作業上の注意としては、ノズルをノズルレンチで閉めすぎてねじ切ってしまわないことと、ノズルに付着している液体のパッキン剤を完全にふき取ってしまわないことである。特に後者は塗料漏れを防いでいるものなので、おろそかにしないこと。万が一液体パッキン剤を除去してしまった場合、市販のシリコン系コーキング剤でも代用可。メンテナンス依頼時に口径変換を申し出ることもできるが、技術料が別途生じる。
タミヤのニードルカバー形状は適当に決められた
■0.2mmと0.3mmでニードルカバーの形状が違うのは乱気流対策ではない。タミヤはハンドピースを自社生産していなく、製造元に仕様を提出→製造元が仕様書に応じて現在生産しているラインナップからお薦めの組み合わせでタミヤへ提案→性能に支障がない限り決定、というプロセスを踏んでいる。タミヤとしては0.2mmの口の細いニードルカバーのほうが格好よくて売りやすかったのだが、口の広い0.3mmニードルカバーと比較テストしてあまり違いがなかったことから、製造元の提案のまま販売になったのだ。
バンダイのアフターサービス
■実はバンダイのアフターサービスには優先順位が授けられている。小売店>一般のお客様なのだ。なので、同時に同じ部品を注文した場合、小売店のほうが先に届く。これは初期不良対策のため。バンダイのアフターサービスは手続きが複雑な上、諸経費もかかることから小売店に注文したほうが良い。店側としても利益が発生するので、ありがたいはずである。
レジンキットの離型剤落とし
■自動車用品のブレーキクリーナーが最強である。今までのクレンザー+中性洗剤のペーストを歯ブラシでこするのに対して、吹き付けるだけで離型剤を落とすことが可能。ただし、2000年以降使われるようになったノンキシレンタイプのレジンは、侵される場合が多いので注意が必要である。
メッキ剥がし
■従来、水で薄めた塩素系溶液(漂白剤など)に漬けるのが定番であったが、現在の4層になっているメッキではプライマーを取る為、さらにラッカーシンナーを必要とする。そのため、ラッカーシンナーでプラスチックが劣化する、という副作用が生じるようになった。
クリアー層 |
着色 |
メッキ層 |
鏡面処理 |
プライマー層 |
平滑処理 |
プラスチック |
下地 |
しかし、イソプロピルアルコール(IPA)を使えば、プラスチックを侵さずプライマー層まできれいに落とすことができる。特にラッカーシンナーに耐性の低いABS樹脂に対して安全なのでお薦め。通常の模型用塗料に対しても有効。IPAは自動車用品店でガソリンの水抜き剤として販売されている。欠点は毒性が強いこと。換気に気をつけよう。
ポリキャップの塗装と接着
■塗装できない、接着できないということで従来不便を感じていたポリキャップだが、塩ビ系塗料で塗装でき、セメダイン社PPXセットで接着できる。接着についてはシアノアクリレート系なので、瞬間的に衝撃が加わる場所では効果が期待できない場合あり。
ソフトビニール用塗料
■専用カラーとして有名なのがイリサワのVカラーであるが、中身は普通の塩ビ用塗料なので、ホームセンターの塩ビ用ペンキでも代用できる。 |