秘話
1980年代

 模型丼をはじめて1年余りの2002年6月、「用語の基礎知識」のご本人様よりBBSに書き込みがありました。その内容は、模型界にとって大変貴重なものだと思います。楠本さんの許可がいただけましたので、紹介したいと思います。
■ありがとうございます 楠本裕樹  2002/06/16 (日) 03:11

始めまして、楠本と言います。検索サイトで偶然見つけました。

私の過去の仕事を評価(※模型丼の基礎用語の解説だと思います。)していただいているサイトなど、今まで見つけられなかったものですから、うれしくなっての書き込みです。

今は、モデラーから足を洗い、おもちゃの企画や、たまには原型師、ゲームデザイナーとしていろいろやっています。ちなみに、今、ガンダムやエバンゲリオン等を作られている「楠本裕樹」さんとは同姓同名の別人です。

では、今回はこの辺りで。

それではまた〜。

■うわぁーっ。 ペルシャたろー  2002/06/17 (月) 03:39

こんばんわ、いらっしゃいませ。ご本人さんですか!本当にうれしいです。ああー、何か「伝説の人」に出会った感じです。

当時、楠本さんの記事に触発されて、「モビルタマゴロー(※イマイのロボダッチシリーズ)」を2つも買ってしまいました。今でも「オリジナルメカ(※TORNADO)」というコンテンツを持っているのも、あの時代を生で通ったからだと思っています。

> 私の過去の仕事を評価していただいているサイトなど、今まで見つけられなかったものですから、うれしくなっての書き込みです。

そういっていただけると、こちらもうれしいです。もし間違った記述があれば申し出ていただけるとありがたいです。なにぶん、僕の目からしか見ていないものですから。(笑)

> 今は、モデラーから足を洗い、おもちゃの企画や、たまには原型師、ゲームデザイナーとしていろいろやっています。

モデラーを止められたのは残念です。僕は韓国の模型史に興味があって調べていたのですが、1983年ごろの模型雑誌「趣味家(※HOBBIST)」で、オリジナルメカが盛んに作られているのを発見しました。機会があれば楠本さんにも見ていただきたいです。

よろしかったらライター当時、影響を受けたもの(映画や小説など)を教えていただけるとうれしいです。あのセンスの秘密が知りたいのです。

そういえば、僕もモデラーから半分足を洗っている気がする、ペルシャたろーでした。そろそろ模型丼一周忌か…。←死んでませんて。(笑)

■またまたありがとうございます1 楠本裕樹  2002/06/17 (月) 06:46

はい、本人です、あはは。

確かあの頃は、タカラでダグラムや、ボトムずの作例を作るようなバイトをしていたときですね。

ダグラムの朽ち果てたモデルなど、何個作ったか知れません。タカラにバイトに行ったら、私の師匠と仰ぐ山野純二さん(人形改造コンテストの常連さん)が、実はタカラに就職してたんです。山野さんのおかげで、私は、高校生の頃から、モデルアートやら、ホビージャパンなどに記事を書かせていただいていたのです。

で、ホビージャパンでは、ガンプラは、いろんな人が作ってたんで、私は、タカラ担当のようになっていましたね。タネを明かせば、タカラでバイトしてたんで、ソルティックとか、いっぱい作らせてもらってただけなんですよ。

で、よく覚えていないんですが、あの頃、なんでもリアルに作って遊ぶということをしていて、その頃担当さんだった、柿沼さん(ガルフォースや、名前忘れちゃいましたけど、オートバイがロボットに変形するアニメをやってる事務所に行っちゃう前の)に、話したら、面白いじゃんとか言われたので、図に乗っていっぱい変なの作っちゃいました。

で、同時に、ふらっとホビージャパンに行ったら、横山さん(※SF3D、Ma.Kで有名な.横山宏さんのことです。)がきたんです。

〜続く

■またまたありがとうございます2 楠本裕樹  2002/06/17 (月) 06:47

あれ?横山先生何しに来たの?

私のそのときの一言目でした。横山さんも驚いてましたね。

しかし、横山先生って、、、そうなんです、横山さんは、私の通っていた、美大向けの予備校の先生だったわけです。

そういう流れだったんで、何だ知り合いなの〜、とかって言う話になって、担当も、市村さん(今のモデルグラフィックの編集長)に決まって、横山さんまでへんちくりんなものを作るようになっちゃって、うれしかったですよ〜。

でも、今となっては、へんちくりんなんてもういえませんね。すごいファンがいますよね、横山さんには。でも、まさかあれがあんなにブレイクするとは思ってませんでした。やっぱり、横山さんの人柄だと思います。

話は戻りますが、柿沼さんといえば、当時のアニメの世界では有名な人になったんですよね、ホビージャパンやめてから。

で、その柿沼さんが行った会社の社長が、偶然にもロボダッチの仕掛け人だったのです。それが縁でタマゴローをリアルにしたわけじゃないんですが、縁というのは面白いですね。

で、その頃は、私、ソニーでゲーム作ってまして、ガルフォースのゲームを作るって言うので、あぁ、そこなら知り合いいますって、言うことで、話がとんとん拍子で進んで、再会となったわけです。変形ロボットのデザインばっかりしてましたよね、あの頃のみんなは。バルキリーとかの時期ですね。ゲーム作るって言うことを口実に、何回も遊びに行きましたね。

〜またまた、続く

■またまたありがとうございます3 楠本裕樹  2002/06/17 (月) 06:48

で〜、何の話でしたっけ、、ああ、どうして駄物キットに目を向けたかの話でしたね。

そうですね〜、あの頃多摩美に通ってて、なんか今までのプラモデルをそのまんま作るのが面白くなくなってきて、なんか面白いのないかって、友達と話してたんですよ、で、そこであのタマゴローがふざけたパッケージで売ってたわけですよ、ザブングルの頃でもあったし、これで砂漠走ったら気持ちよさそうだな、、なんて思ったんでしょうね。あっという間に作って、ホビージャパンに持って行っちゃいました。

そしたら、ちょうど、ホビージャパンの柿沼さんも駄物キットに目を向けてて、なら、特集にしようとかいう話になったんだと思います。しかし、その中のイッカンでしかなかった、横山さんの、例のアレ、が、こんなにすごいことになっちゃうなんて、世の中は面白いですね。

おっと、書き込みが、だらだらと脈絡がなくなってきましたね。長文駄文、お許しください。他に何か、ありましたら、何なりと聞いてくださいね。

しかしなぁ〜、あの頃が一番輝いてましたね〜。わが人生にくい無しですわ。後、実にマイナーなんですが、タカラから、メタルフィギュアが出てたの知ってますか?なんていう名前だっけなぁ〜、あ、そうだ、クラッシャージョーだ。

あれの原型も8割がた作りましたね。他の原型氏の人、へたくそで、頭に来て、俺に作らせろ〜ってんで、何体も作りましたね。今売ってたら、幻もんですね。後、原型やったのは、数知れずですが、ダグラムの7人集の仕事はおいしかったですね。1/48だったかな、1/72だったかな、、あれは全部私の原寸原型です。あの頃は、一晩で8万円とか、1週間で60万とか稼いでました。でも、それらのお金は、おもちゃや、学校の課題の材料に消えていってしまいましたね。

ってことで、今回はこの辺で、、、

またきます〜。

ではでは。

■貴重な裏話 ペルシャたろー  2002/06/19 (水) 03:42

貴重な裏話、大変為になります。永年の謎が氷解していくようです。

>柿沼さん(ガルフォースや、名前忘れちゃいましたけど、オートバイがロボットに変形するアニメをやってる事務所に行っちゃう前の)

そうです。これが疑問の1つでした。僕はこのオートバイが変形するアニメ「メガゾーン23」が好きでした。1980年以前のホビージャパンに「柿沼秀樹」さんの名前があり、スタートレックのクリンゴン船などのSFキットを作っている記事を発見して、同一人物だろうか?と思っていたものです。ということは、事務所というのは「アートミック」のことで、

>会社の社長が、偶然にもロボダッチの仕掛け人

社長というのは「鈴木」さんのことではないでしょうか?すごいところまで繋がっていたのですね!

>ガルフォースのゲームを作る

MSXのゲームだと思います。僕の弟の趣味がPCで、マシンを持ってました。(笑)このゲームは持っていないようですが、代わりに「ファミコン・ディスクシステム」の「ガルフォース」はあったりします。(爆)ミサイルの雨が楽しくて、結構はまったシューティングでした。

あと、クラッシャージョウのキットは今でも持っています。デュアルマガジンも持っているので、そのフィギュアも見たことあります。でも当時はメタルキットで2,000円と高く、買えませんでしたね。なぜスチロールで成形しなかったのか不満でした。ダグラムのフィギュアがスチロールだっただけに。

何となく思ったのですが、楠本さんのSFオリジナルは雑誌発表以外に相当ある気がします。もう1度ああいう自由な世界を模型界に復活させたいですよ。今の記事は「こうしなければならない」というのがあり過ぎで読むだけで疲れてしまいます。

ハイパーウェポンを思い出した、ペルシャたろーでした。皆さん、その昔模型によるオリジナルSF本が出ていたのですよ。今では信じられないかもしれませんが、モデルアートから。

■思い出話たち1 楠本裕樹  2002/06/19 (水) 07:50

 こんにちは、楠本です〜。

>>柿沼さん(ガルフォースや、名前忘れちゃいましたけど、オートバイがロボットに変形するアニメをやってる事務所に行っちゃう前の)
>そうです。これが疑問の1つでした。僕はこのオートバイが変形するアニメ「メガゾーン23」が好きでした。1980年以前のホビージャパンに「柿沼秀樹」さんの名前があり、スタートレックのクリンゴン船などのSFキットを作っている記事を発見して、同一人物だろうか?と思っていたものです。ということは、事務所というのは「アートミック」のことで、

そうだそうだ、「メガゾーン23」ですね。そうです、アートミックです、当時は吉祥寺にありました。柿沼さんは、ペンネーム何個か持ってて、エイリアン特集のときは、ノストロモ号を作ってましたね。ちなみに私はそのとき、エイリアンの砲台(通信代?)とフィギュアを作りました。フェイスハガーは、私の多摩美友達の西村が作りました。後、リプリーのフィギュアは、実は、私の師匠の山野純二さんの作品です。

>>会社の社長が、偶然にもロボダッチの仕掛け人
>社長というのは「鈴木」さんのことではないでしょうか?すごいところまで繋がっていたのですね!

あはは、詳しいですね。私も出会ったときは、興奮したもんです。ちなみに、そういえば、大河原さんの家に行ったこともありますね。懐かしいなぁ〜。

>>ガルフォースのゲームを作る
>MSXのゲームだと思います。僕の弟の趣味がPCで、マシンを持ってました。(笑)このゲームは持っていないようですが、代わりに「ファミコン・ディスクシステム」の「ガルフォース」はあったりします。(爆)ミサイルの雨が楽しくて、結構はまったシューティングでした。

あはは、それも私が作りました。プロいグラマの子と仲良く造ったので、いろんな部分で彼のアイデアも入っています。グラフィックは、私と、知る人ぞ知る、メタルスレイダーグローリーの作者、☆よしみる君が描きました。

〜続く

■思い出話たち2 楠本裕樹  2002/06/19 (水) 07:51

〜続き

>あと、クラッシャージョウのキットは今でも持っています。デュアルマガジンも持っているので、そのフィギュアも見たことあります。でも当時はメタルキットで2,000円と高く、買えませんでしたね。なぜスチロールで成形しなかったのか不満でした。ダグラムのフィギュアがスチロールだっただけに。

あの頃は結構いけいけで、何でもやっちゃおうって言う感じだったんですよね。後、細かいディティールは、メタルのほうが出しやすいんです。生産数を少なくしてもコストかかりませんし。ただ、肉の引けが強くって、ちょっと変形しちゃって整形されちゃうのが悩みの種でした。

>何となく思ったのですが、楠本さんのSFオリジナルは雑誌発表以外に相当ある気がします。もう1度ああいう自由な世界を模型界に復活させたいですよ。今の記事は「こうしなければならない」というのがあり過ぎで読むだけで疲れてしまいます。

一番ノッテいたのは「ボビーボーイ」の、シーモニクスシリーズですね。あれは、かなり楽しみました。あの本を持っている人がいたら、かなりおもちゃ好きな人だと思います。

>ハイパーウェポンを思い出した、ペルシャたろーでした。皆さん、その昔模型によるオリジナルSF本が出ていたのですよ。今では信じられないかもしれませんが、モデルアートから。

そうなんですよね、モデルアートから出てたんですよね。ホビージャパンは多摩美、モデルアートは、武蔵美、って感じだったんではないかと記憶してますが、間違いかもしれません。しかし、ハイパーウェポンの底力には、表現悪いですが、吐き気をもよおす程、すさまじいものがありましたね。連日徹夜徹夜が常識みたいだったし、、、

私には、あそこまでの思い入れはありませんでしたね。根が、飽きっぽいもんで、、、

ってところです。

また何か、気になることがあったら呼んでくださいね。

それでは〜。

■本の名前 楠本裕樹  2002/06/19 (水) 13:57

「ボビーボーイ」じゃなくって「ホビーボーイ」でした。

それだけなんですが、、、

■感動 ペルシャたろー  2002/06/24 (月) 05:20

知られざる数々の事実。感動しています。

>エイリアン特集

1982年の11月号(※ホビージャパン)ですね。となると当時、複数のペンネームを使っておられたライターが結構いたことになるのではないでしょうか?業界の暗黙のルールが見える気がします。(紙面に変化をつけるためだったり。笑)

>あはは、詳しいですね。

確かB-CLUBの別冊で見たと思います。また、ホビーボーイは現在も持っています。(爆)気がついたら書店にあったという具合ですので3、4号しか持っていませんが。SFスリラー「シーモニックス」は3号では大々的に紹介されてますね。FM−7版のゲームまであったとは驚きです。今気づきましたが、広告で「ナガノ」がエリマキトカゲのプラモデルを発売しています!そういえばブームでしたね。(笑)僕は「フィクサリア」が好きだったのですけど、ホビーボーイは結局、何号まで発売していたのでしょうか?単行本があれば欲しいですよ。

 6月19日の僕の発言にもありますが、業界人でないと知り得ない情報で、本当に長年の謎、というか疑問が氷解して行くようでした。また、当時は今以上に人と人のつながりが、さまざまな作品を生んでいたのだな、とわかり興味深いです。僕も知っている情報をなるべく後世に伝えて行きたいですね。(笑)

 本当に驚き、うれしかった、ペルシャたろーでした。
03/01/20

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