具体的には、
1.「劇場版」という権利を取り、開発されたにもかかわらず、その実キットは劇場版でもTV版でもなく、「ハセガワ版」となっている事
2.明らかに設定の読み取りミスがある事
3.設計と商品が違ってしまったミスがある事
特に「3」についてはハセガワの開発のK分さんとメールのやり取りで、ミスであった事が確認されました。"部品A5のインテーク付近に「謎」の穴があります。"が、どの模型誌を見てもそれに触れているライターさんはいませんでした。
また、スケールのハセガワが、アニメモデルを作る、ということ自体模型史に残るものであり、さらには「初めての苦労」というところが非常に興味を引く話題であるはずなのです。
ユーザーが知り得ない裏側を見せ、単なる「改造プラモの展示会」といった今までの別冊と違う切り口で、ハセガワの企画会議スタートから時間軸に沿ってどのように企画が動いたかを見せ、
4.設定(資料)はどこまで版権元からもらえるのか
5.製品には筋彫りが入っているが、設定のどのラインを拾い、どのラインを捨てたのか
6.河森さんはどの時点で監修に入ったか
7.どの時点なら修正が利くか
8.どの時点ならユーザーの意見を反映できるか
9.なぜVF−1は「ハセガワ版」なのに、後に発売されたYF−19/21は「設定版」なのか
10.ハセガワのユーザーの意見に対する姿勢
以上を盛り込みます。
「4」について、僕はハセガワ営業のM本さんからYF−21の開発が進んでいる、というのを2002年2月に聞き、資料は全部もらえない場合があり、市場に出回っている本で賄っていると知りました。
たまたま僕は当時発表されていないYF−21のランディングギアの設定とプロポーションに関する注意書きを持っていたのでメールに添付した事があります。不本意な商品を出して欲しくなかったのです。
ランディングギアとプロポーションの設定は「テクト」の1/144YF-21のため1996年4月9日に描かれたもので、当時友人だった原型師の「A岡」君から譲られたものです。
YF-21が発売されたときに多くの模型誌で「設定よりもメリハリの利いた〜」などという記事を見かけました。これはイタレリ(タミヤWB)のYF-23を雛形にプロポーション取りがのっぺりしてしまった1次原型を見た河森さんが、設定書に「厚く」とか「メリハリ」と書き込んだのをハセガワが、そのまま採用したのが原因と思っています。
「9」ですが、まるで考える事を放棄してしまったようにYF-19/21は設定のままです。同じラインナップとして統一感がなくなってしまいました。これならいっそVF-1も設定版でだして欲しかった、と思います。なぜ路線を変えたのか、非常に興味があります。ファイターのプロポーションが設定に準じているのに、バトロイドがそうでないも同様です。
「10」は非常にいいメーカーだと思っています。正当な理由があれば開発とも話が出来ますし、意見も真摯に聞いてくれます。
余談ですが、今度の見本市で別売りされる事になった「強化股関節パーツセット」は僕が営業のM本さんに意見を出しました。
ノーマルにも組めるスーパーバトロイドの登場によって、価値がなくなった通常のバトロイドの生産がなくなる事を知り、「今まで買いためた人の気持ちや店の在庫の事を考えると別売りすべきではないか」と意見したのです。単品売りはコストがかかるでしょうから、WEB販売か、アフターサービス扱いにして、包装も簡素にすれば500円以下で出せないのでしょうか?と持ちかけたのです。見本市限定となってしまったのは予想外でしたが、価格の点を見てもちゃんと意見が反映されるのだな、と感心しました。
こういった疑問解決とアニメモデルを初めて(に近い)作るメーカーが、商品を送り出すまでを追った本が見たいです。
ガンダムが「カトキ版」とかに対して厳しい目で見ているのに、「TV版→河森設定」「劇場版→宮武設定」である事を知らない人も多く、あまりにマクロスはないがしろにされています。
古本屋ではマクロス関係の本をほとんど見かけません。すぐに出て行ってしまうそうです。では尚の事、未公開の設定も入れて別冊化すれば「売れる」と思うのですが、どうでしょうか?
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